『歴史のIF』 本郷和人
2021年 04月 12日
「もしも、石橋山で、梶原景時が「源頼朝を見つけたぞ! 」と叫んでいたら…」
「源頼家が重病に。もしも比企能員が慎重であったら…」
「モンゴルから国書がやって来た。もしも、鎌倉武士たちに教養があったら…」
「もしも、後二条天皇が若くして亡くならなかったら…」
* * *
「もしも、足利尊氏が大好きな後醍醐天皇に反逆しなかったら…」
「もしも、足利義満がもう数年生きていたら…」
「もしも、畠山持国が、男としての自信にあふれていたら…」
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「もしも、「あの人」が長生きしたら、早く死んだら、早く生まれたら…」
「もしも、浅井長政が織田信長を裏切らなかったら…」
「もしも、「本能寺の変」のとき、織田信忠が逃げていたら…」
「もしも、豊臣秀頼が女の子だったら…」
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「もしも、鳥居元忠が、島津義弘に「かたじけない」と頭を下げていたら…」
「もしも、上杉軍が退却していく德川軍の背中を襲ったら…」
「もしも、毛利輝元が大坂城に籠城したら…」
と題されている。
どれもこれも興味深い題材なのだが、結局のところ「今知る歴史と大差はなかったであろう」という結論づけされているものが大半なので、さてどんな変化が起こるだろうと期待して読む人は肩透かしを食らった気分になるのではないか。
逆にいえば突拍子もない、いくら「IF物」だからといってなんでもかんでも「あり」はおかしい、という人には得心が行くものが多いかもしれない。