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『原始獣レプティリカス/冷凍凶獣の惨殺』(1961)

『原始獣レプティリカス/冷凍凶獣の惨殺』(1961)_e0033570_19230284.jpgツンドラ地帯の採掘現場でドリルに血が付着し、皮膚のようなものが発見される。
発掘された肉片はコペンハーゲンへ運ばれ、研究所で調査の結果、古代生物の物と判明。
冷凍保存されていたが事故により再生し、やがて巨大怪物へと成長してしまう、というデンマーク製の怪獣映画。

かつては『冷凍凶獣の惨殺』のタイトルでテレビ放映され、後に『原始獣レプティリカス』としてビデオ・リリースされたが、DVD版はその両方を併せた邦題となった。
出演はカール・オットセン、アン・スミルナー、ミミ・ハインリッヒ、監督はシドニー・ピンク。

序盤のムードは悪くないのだが、研究施設内でのやり取りが冗漫で、そこから段々と退屈してくる(頭の弱い見張り番とか)。
博士やら軍人やら登場人物がやたらと多く、主人公も怪獣を掘り出した作業員なのか、正体を突き止めようとしてる科学者なのか、撃退しようとしている将軍なのか絞り切れておらず(一応は将軍の一人称で進行する場面もあるのだが)、ヒロイン枠も美女三人が均等に出番を分け合っていて中心的な役割を果たす人物はいない。

怪獣も全身が映るショットはなく、チャチなミニチュア特撮の中にマペットを放り込んでるだけなので迫力ないこと夥しい。
軍の協力を得てるのか重火器の発砲シーンはそれなりの厚みがあるし、かなりのエキストラを動員したと思しき逃げ惑う群衆シーンには力が入っているのはわかるのだが、それらが有機的に結びついてはいないのが残念だ。

この怪獣は破片の一部でも残っていれば再生可能と厄介な存在で、ラストシーンも皆が「やった!」「勝った!」と喜んでる陰で、密かに胎動し始めてるショットで終わり、と一捻り。
着眼点は決して悪くはないし、東宝特撮陣のような特撮映画、怪獣映画のノウハウを熟知したスタッフだったらもう少し面白くなっただろう。

ちなみにこれはアメリカ公開版で、デンマーク公開版とは一部のキャストが違っていたり、シーンを差し替えたり、特撮にも手を加えたりしてるらしい。
どっちの完成度が高いのか見比べてみたいし(大差ないかもしれないが)、どうせならオリジナルの本国版も同時収録して欲しかった。


by odin2099 | 2021-04-14 20:55 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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