『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』(2014)
2021年 05月 06日

一体誰が何のために?
開設の日が近づく中で、事件の謎を追って田口と白鳥が奔走する。
『チーム・バチスタの栄光』、『ジェネラル・ルージュの凱旋』に続く”田口・白鳥シリーズ”の映画化第3弾(『ジーン・ワルツ』も含めれば海堂尊作品の4本目の映画化作品)、ではない。
これは映画版とは別に作られたTVシリーズ及びTVスペシャル版の続きで、『チーム・バチスタの栄光』、『チーム・バチスタの栄光SPECIAL/新たな迷宮への招待』、『チーム・バチスタ第2弾/ナイチンゲールの沈黙』、『チーム・バチスタ2/ジェネラル・ルージュの凱旋』、『チーム・バチスタSP2011/さらばジェネラル!天才救命医は愛する人を救えるか』、『チーム・バチスタ3/アリアドネの弾丸』、『チーム・バチスタ4/螺鈿迷宮』に続く”完結編”という触れ込みの作品なのだからややこしい。
ということで前2作とはスタッフ、キャストは一新。
伊藤淳史に仲村トオル、桐谷美玲、松坂桃李、西島秀俊、戸次重幸、木下隆行、利重剛、加藤あい、名取裕子、栗山千明、生瀬勝久とTVから続投のメンバー中心に入れ替えられている。
脚本は後藤法子、監督は星野和成。
海堂尊作品は結構読んできたけれど、刊行ペースの速さにギブアップし、この『ケルベロスの肖像』あたりからご無沙汰。
そしてテレビドラマの方は最初の『チーム・バチスタの栄光』を何話か見ただけで、自分の持ってるイメージとのギャップの大きさに脱落。
ということでほぼ予備知識なしの状態での鑑賞。
聞けばお話も原作とはまるで別物らしく、ほぼオリジナル・ストーリーに近いらしい。
Aiセンター設立の是非と薬害問題を盛り込み、これがどう繋がるのかなと思ってると、なるほどそう来ましたか。
ただこの二本柱、中心になる人物(いわゆる”犯人”)が別々で、特に連携を取っている訳でもないから(時同じくして騒動が起きたのも偶然?)、ぼーっと見ていると誰が何を企んでいるのか混乱するかも。
それに今回の犯人って、原作小説、一連の<海堂尊ワールド>の中でのレギュラー・キャラクターの筈だから、この扱いはちょっと酷いんじゃない?
伊藤淳史と仲村トオルの”田口・白鳥”コンビは、ミスキャストというより別物だから許すとして、ヒロイン役の桐谷美玲は美人だし可愛いからOKで、生瀬勝久は胡散臭いし、松坂桃李も西島秀俊も格好良いし、とプラス要素が勝ったので、原作忘れればこの映画そのものもOKということで。
【ひとこと】
そういえば桐谷美玲、『ジーン・ワルツ』に別人の役で出てたっけ。