『グリム・アベンジャーズ』(2015)
2021年 05月 12日
王を殺し、鏡の向こうの世界へ行こうとする。
止めようとした王妃である白雪姫ともつれ合い、二人はそのまま鏡の中へ。
オオカミを追いかけてきた赤ずきんも巻き込まれ、更に白雪姫を助けようとしたシンデレラ、眠れる森の美女、ラプンツェルも魔力によって飛ばされてしまう。

映画『イントゥ・ザ・ウッズ』やテレビドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』、『ディセンダント』など、おとぎ話の登場人物を集めた作品が幾つか作られているが、これもその系譜に連なり且つヒーローたちが一堂に会して巨悪と対峙するという『アベンジャーズ』の要素も取り入れた贅沢な作品。
原題は”AVENGERS GRIM”なので、邦題とはちょうど逆だ。
『アベンジャーズ』に便乗しようとしても、今からヒーロー映画を量産して、個々のヒーローが認知された後で集めるなんていう手間暇はかけられないし、かといっていきなり複数のヒーローが登場する作品を作ったとしても、お前は誰だ?となって強者集結ムードを出すことは出来ない。
となれば手っ取り早いのは既成の著名キャラクターを集めるという方法なので、このアプローチの仕方は間違ってない。
日本なら桃太郎や金太郎、一寸法師、かぐや姫なんかを勢揃いさせた作品を作るようなものだ(はて、どっかのCMで見たような気が…)。
ところが映画を見ていても誰が誰やらサッパリだし、彼女たちの能力、パワーもどうもハッキリしない。
白雪姫は凍らせる力、ラプンツェルは髪を分銅みたいに使い、いばら姫は催眠術、シンデレラは…なんだろう?
赤ずきんは武闘派で弓を使い格闘技にも長けており、おまけに唯一の庶民なのでお姫様たちとはそりが合わずに殆どが単独行動。
その結果、敵に捕まり操られて仲間を襲ったりとオイシイ立ち位置なので、比較的判別しやすいのだけれど。
出演はキャスパー・ヴァン・ディーン、ルー・フェリグノ、キモ・レオポルド、ライリア・ヴァンダービルト、マイリン・サーリー、ローレン・パーキンソン、マーラ・フェアクロー。
監督・脚本はジェレミー・M・インマン。
着眼点は悪くないし決して嫌いではないのだけれども、もうちょっと何とかならないかなあとは思う。
特に女優陣。
もっと若くて奇麗な女優さんはいなかったものかなあ。
でも何れにせよアサイラム製なので過剰な期待は禁物だ。