『新説の日本史』 河内春人/亀田俊和/矢部健太郎/高尾善希/町田明広/舟橋正真
2021年 05月 26日
「古代」「中世」「戦国」「江戸」「幕末」「近現代」の6章に分類されていて、取り上げられている内容はというと――

「『国風文化』は存在したのか」
「承久の乱の目的は鎌倉幕府の打倒だったのか」
「観応の擾乱の主要因は足利直冬の処遇問題だった」
「応仁の乱の主な原因は将軍の後継者争いではなかった」
「戦国大名は『上洛』を目指してはいなかった」
「豊臣秀吉は甥の秀次に切腹を命じていなかった」
「関ケ原合戦は豊臣政権の内紛だった」
「『御江戸』と『大江戸』は別物だった!?」
「江戸時代の『士農工商』は身分ではない」
「薩長同盟は軍事同盟ではなかった!?」
「日米修好通商条約は不平等ではなかった!?」
「日露戦争で日本は情報戦に勝利した」
「日米開戦の原因は組織の論理と責任のたらい回しだった」
「昭和天皇は戦後も政治・外交に影響力を持っていた」
――以上、16項目。
平易に書かれているものが多いので、構えずに読むことが出来る。
ただ”新説”ではあっても”奇説”ではないのでセンセーショナルな内容ではなく、素人からすると重要度がややわかりにくいか。
それと紙面の都合や本書の性格の問題もあるのだろうが、個々の項目が紹介しているだけ、なぞっているだけで深入りを避けているようにも感じられるので、読後感としてはやや食い足りない。