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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナIV/天地覇王』(1993)

獅王戦に勝利したウォン・フェイフォンの許を副大臣が訪れた。
清国の支配を目論む列強諸国の思惑から、再び開催されることになった獅王戦への出場を依頼するためだ。
祖国のために出場を快諾するフェイフォンだったが、義和団である「紅燈照」とドイツ軍の争いに巻き込まれ囚われの身となってしまう。
誤解の解けた「紅燈照」のミウ大師と共に脱出したものの既に大会は始まっており、フェイフォンの代わりに参加した副大臣は無残に殺されてしまう。
フェイフォンは副大臣の仇を討つため、列強諸国に再試合を申し込む。

天地黎明」「天地大乱」「天地争覇」に続く<ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ>シリーズの4作目。
これまでとは違い前作のラストに直結する形で幕を開けるが、主演はリー・リンチェイ(ジェット・リー)からチウ・マンチェク(ウィン・ツァオ)に交代し、イー役のロザムンド・クワンも不在。
ツイ・ハークはプロデュースのみで、監督もユエン・ブンが務めている。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナIV/天地覇王』(1993)_e0033570_18505183.jpgフェイフォンの弟子のフーや鬼脚、フェイフォンの父親などは続投しているが、チウ・マンチェクにはリー・リンチェイの愛嬌はなく、唐突に出てきたイーの妹メイがフェイフォンにモーションを掛けるなど違和感は拭えない。
前作のラストでフェイフォンとイーは結ばれたはずなのに。

このメイが本作のヒロインなのかというと、物語上はミウ大師だろう(この女優さん、キリっとしたかなりの美人)。
最初はフェイフォンと敵対しているが、誤解が解けて共闘した後に再度敵対する羽目になり、その時にフェイフォンたちを庇う振る舞いをしたことから裏切り者扱いされ、「紅燈照」次いでドイツ軍に襲われて命を落としてしまう。
最後はフェイフォンの手を握りしめながら……。

クライマックスは前作同様の獅子舞で変わり映えはせず、またフェイフォンたちは獅王戦に勝利はしたものの、その間に八か国軍が紫禁城に侵攻し、北京は陥落。
国を取り戻すべくフェイフォン一行は南へ落ち延びるというラストはあまりに暗い。

by odin2099 | 2021-05-27 18:54 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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