『ウルトラギャラクシーファイト/大いなる陰謀』(2020)
2021年 05月 31日

脚本の足木純一郎、監督の坂本浩一は続投。
「Chapter.1:動き出す陰謀/The Beginning」は、リブットがマックスと共に文明監視員だった時代の話で、彼が囚われのマックスを助け出すためにグレートとパワードの特訓を受けて成長する姿を描くのと並行して、80、ネオス、セブン21らは別の事件に対処する。
リブットが中心になっているが、80、グレート、ネオス、マックスといったアニバーサリーキャラクターにも焦点が当てられ、ユリアンをはじめコスモスにジャスティス(そして二人が合体したレジェンド)、それにゼノンも参戦。
一連の事件の黒幕としてアブソリュートタルタロスも登場し、事態は風雲急を告げる。
事件終結後にリブットはギャラクシーレスキューフォースの一員となる。
「Chapter.2:交錯する物語/The Divergence」は一転して数万年前のウルトラ大戦争の時代へ遡る。
エンペラ星人を撃退したケンは宇宙警備隊の隊長となりマリーと結ばれるが、己の力を過信して慢心したベリアルとの溝は深まるばかり。
そして時は流れ、トレギアは幼馴染のタロウに対して羨望と劣等感を抱くようになり、ヒカリが闇落ちしてハンターナイトツルギと化したことを目の当たりにしたことで、光の力に対しても疑念を抱くようになってしまう。
タルタロスはこの二人の前に現れてその後の運命を見せ、未来を変えたくないかと誘いをかける。
結果、元の世界から分岐した可能性世界が生まれ、その並行同位体となった二人が時空を超えて6兄弟に襲い掛かるという事件が起き、彼らに対抗すべくウルトラリーグが編成されることになる。
嫉妬、羨望、劣等感、承認欲求、ベリアルとトレギアの闇落ちの原因が共感しやすくなったことで、今後二人のキャラクターの幅が広がっていくのではないだろうか。
「Chapter.3:明かされし野望/Appearance」ではバット星人によって生み出された宇宙恐魔人ゼットと複製人工ゼットン軍団が出現、ユリアンらが襲われる。
メビウス、タイガ、Zが駆けつけるが苦戦を強いられ、そこへゼロ率いるウルトラリーグが登場し辛うじて撃退に成功するのだが、僅かな隙を突いたタルタロスによってユリアンが拉致される…というところで幕を閉じる。
劇場版『ウルトラマンタイガ/ニュージェネクライマックス』と『ウルトラマンZ』第1話を繋ぐ話にもなっていて、旅立ったZとゼロの運命はTVシリーズで、残されたウルトラメンバーの運命は第3弾で、ということになるようだ。
ウルトラリーグはゼロの他にグリージョ、タイガ、フーマ、タイタス、ジョーニアス、アンドロメロスと異色の顔ぶれ。
個人的にはなんといってもジョーニアスとメロスの参加が嬉しい。
今回の作品はグレートやパワードも参加しているので、あとはエレクやロト、アミアといったU40勢と、スコット、チャック、ベスのUSA組と、ウルフやマルス、フロルらアンドロ超戦士が次回作で出て来てくれれば文句はない。
80は長谷川初範(皆が挙って若々しいと持て囃しているが、活舌悪いし声に張りがない)、コスモスは杉浦太陽が演じ、パワードの声は変身前のケンイチ・カイを吹き替えた森川智之(海外版ではなんとケイン・コスギ!)が担当。
またゾフィー役が武内駿輔に交代し、若き日のタロウを森久保祥太郎が演じている。
『マジンガーZ/INFINITY』では兜甲児役を石丸博也から引き継いだ森久保祥太郎がこちらでも…。
いずれ若き日のジャッキー・チェンが出てる映画の吹き替えを新録する際には、そちらでもお呼びがかかるのでは?
他の出演者は宮野真守、駒田航、小野友樹、内田雄馬、寺島拓篤、日野聡、葉山翔太、畠中祐、其原有沙、戸松遥、福山潤、難波圭一、飯島肇、三森すずこ、杉浦太陽、潘めぐみ、中井和哉、岩崎諒太、関智一、八塚竜也、松本健太、金光宣明、山口智広、真堂圭、村上ヨウ、金子はりい、岸哲生、杉田智和、田久保宗稔、諏訪部順一とお馴染みのキャストに新顔が並ぶ。
ソフトに収録されているのは配信版より10分ほど長いディレクターズカット版で、当然ながらこちらの方が見応えがある。
ただ特典扱いの「YouTube配信版本編」は1話1話じゃなく連続して(シームレスで)収録されているので、一見するとディレクターズカット版と差異がないように思えるので、じっくりと見比べたい。
タルタロス以外のアブソリューティアンの存在が明かされ、連れ去られたユリアンの運命と、彼らの本拠地に囚われているウルトラ戦士らしき影。
アブソリューティアンの真の目的は何か、そして前作で別事件を追ったままのニュージェネレーションヒーローズとの合流も期待される第3弾が今から待ち遠しい。