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『アリス』(1988)

『アリス』(1988)_e0033570_21304849.jpgルイス・キャロル「不思議の国のアリス」を、人形アニメーション作家であるヤン・シュヴァンクマイエル監督が実写とアニメを組み合わせて映画化した作品。

年端もいかない少女がアリスを演じているのだが、これがなかなかの美少女。
その彼女が奇妙なクリーチャーたちに囲まれながら、穴に落ちたり、テーブルの引き出しに吸い込まれたり、天井に頭をぶつけたり、涙の海で溺れかけたり、とまるで監督のいじめに遭っているようで、何か嗜虐的な衝動に駆られそうになる。
アブナイアブナイ…。

ストーリーは概ね原作に沿ってはいるものの、多分に監督オリジナルの要素が強く、狂気を孕み暴力性や残酷性を増した感じ。
幻想的と言えなくもないが、グロテスクで”悪夢のような”「不思議の国」での少女の冒険譚となっている。
といっても彼女は終始困惑の中におり、そのことがかえって少女の危うさを浮き立たせ、より原作の本質に根差した映画化にもなり得ている。
一見すると子供向け、ファミリー向けの映画に見えるが、これを見せる場合はかなり注意が必要だろう。

CG全盛の今の目で見ても新鮮で、少女と人形の同一画面での融合性も見事だし、ファンタジー映画としての完成度はかなり高いとは思うのだが、好き嫌いはハッキリ分かれそう。
自分は違和感というか嫌悪感の方が勝ってしまった。
途中から、大きくなったり小さくなったりのアリスと兎とのバトルが始まるのにもきょとんとしてしまい、「好き」にはなりたいけれど「好き」にはなれないタイプである。


by odin2099 | 2021-06-07 22:03 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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