
”怪獣映画”だった「ガメラ」、”戦争映画”だった「ガメラ2」、そして「ガメラ3」は”伝奇映画”、と呼べるかもしれない。
1作目では「もし現実世界に怪獣が現れたら」というシュミレーションを徹底し、その中で自衛隊や政府の対応を描いている。
2作目では怪獣は既に未知なるものではなく現実的な脅威として存在し、明確な意図をもって人間社会を脅かす存在であれば侵略者であり、国家を人を守る戦いとして軍事力の行使も正当化されるようになった。
3作目では怪獣の在り様、存在意義にまで踏み込み、これまでのリアリズム中心から逸れ、古くからの伝承、言い伝え、あるいは超古代文明の存在といった、良識ある人なら眉を顰める領域に踏み込んでいる。
連続モノであり、怪獣映画としてもSF映画としても一定以上の評価を得た<平成ガメラ三部作>ではあるが、個々の作品がこれだけ貌を変えながら、なおも同一の世界観を保っているというのは、実は稀有なことなのかもしれない。
<過去記事>
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