『機動戦士ガンダム/閃光のハサウェイ』(2021)
2021年 06月 13日
その首謀者の正体は、アムロとシャアの遺志を受け継ぐ者として立ち上がったハサウェイ・ノア。
だが連邦軍のケネス大佐と謎の美少女ギギとの出会いが、ハサウェイの運命を大きく変えてゆく。
映画『機動戦士ガンダム/逆襲のシャア』ではなく、そのモチーフ、プロットを活かした小説『機動戦士ガンダム/逆襲のシャア~ベルトーチカ・チルドレン~』の続編として書かれた『機動戦士ガンダム/閃光のハサウェイ』のアニメ化作品ということで、原作者として富野由悠季の名前を冠してはいても、従来の『ガンダム』作品とは一線を画す存在だ。
全3巻で発表された小説の上巻がベースに、『ベルトーチカ・チルドレン』ではなく映画『逆襲のシャア』と同じ世界観で描かれてはいるが、物語は驚くほど原作に忠実だ。
新しくデザインされたハサウェイ、ギギ、ケネスらのキャラクターにはまだ馴染めないが、台詞も含めて確かにこれは待ち望んでいた『閃光のハサウェイ』の映像化だ。
アムロやシャアたちの時代の掉尾を飾るに足る作品の”序章”である。
ハサウェイ役が佐々木望ではなく小野賢章に交代したのは残念だが(佐々木は別の役で出演)、川村万梨阿がクェス役で、古谷徹がアムロ役で続投している。
今後物語が進めば、ブライトは勿論のこと、シャアやミライの再登場もあるのだろうか。
不幸な結末を迎える作品ではあるが、このまま見届けたい。
ところで製作発表時には三部作と説明されていたと思うが、完成作品には「1」も「第一部」も「前編」も付かない。
勿論物語は途中で終わるのだが、続編の告知もなかった。
近年の『機動戦士ガンダムUC』も『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』も『Gのレコンギスタ』も最初からナンバリングされていたのに何故だろう。
「UC Next 0100」プロジェクトの柱となる作品だろうから当然次もあるはずだが、『閃光のハサウェイ』以外の副題を用いるのだろうか。
【ひとりごと】
独立部隊として活躍するなどしてはいても、何だかんだで常に体制側にいたガンダムだが、この作品で初めて反体制派の象徴となるのだな。
◆『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』ユナイテッドシネマ豊洲3 ▲画像は後から。 五つ星評価で【★★★話に没頭はできたが、面白いか面白くないかは微妙】 超高速セグウェイに変形するガンダム、それは新しい。って、新型ってフォルムもはっきり見せてくれないのかよ。ポスターにちょっとだけ載ってる三角形に手足が付いたみたいな造形は人型としては動きづらそうだ。兵器として考えるとあまり手足をバタバタ動か...... more
最終的に追い詰められたハサウェイは南瓜マスク型のタイム・リープマシーンを使ってハサウェイ自身を殺そうとするが失敗するのだ(とか)。あのテロリストが一般大衆から見えるマフティーという二重構造はちょっと面白いのだけど、そこはもうちょっと言及してほしかったかもしれない。
ブライトは有名人だけど、さほど高給取りとは思えない。
それでもハサウェイはお坊ちゃんだからねえ。
仕立てのいい服を着ているのも不自然じゃない。
そして地味で主役顔じゃない。
だからこそテロリストというのも意外性があっていいかも。
第二部、第三部では更に過酷な状況に置かれるので、これからどう化けていくのかが楽しみ。
もちろんギギとケネスもどう変わっていくのかも。