『妖怪百物語』(1968)
2021年 06月 16日
悪徳商人・但馬屋が寺社奉行の堀田と結託し、お社と長屋を壊して岡場所を作る計画を強行する。百物語が終わると妖怪が現れると言われており、最後には必ず憑き物落しの呪いを行う習わしがあるが、但馬屋は迷信に過ぎないとこれを一笑に付す。
すると彼らの周囲で次々と怪異が起こり……。
大映の<妖怪三部作>の一作目で、併映は『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』。
新作の特撮映画2本立ては当時の大映ならではで、スタッフの編成の都合上、東宝では真似できない芸当と言えそうです。
監督は安田公義で、特技監督は黒田義之、そして音楽は渡辺宙明。
出演は藤巻潤、高田美和、平泉征、坪内ミキ子(事実上のヒロイン!)、ルーキー新一、林家彦六(八代目林家正蔵)、神田隆、五味龍太郎、吉田義夫、水原浩一、浜村純、伊達三郎、杉山昌三九、花布辰男、山本一郎、毛利郁子、小倉康子ら。
出てくる妖怪は”妖怪”というより”怪人”で、造型スタッフがスタッフだけに『仮面ライダー』っぽいというか、ショッカー怪人の原型という感じがします。
最後の方では大挙して出てきますが、実は総じて出番は少なめ。
人前にはあまり出てこない照れ屋さんばかりです。
また宙明先生の音楽は、知らずに聴いていてもファンならすぐにわかるくらいの宙明節。
こちらは『人造人間キカイダー』というより『キカイダー01』のBGMの片鱗を覗かせてますね。
大映映画なのに、後の東映ヒーロー物の萌芽が見てとれるというのも面白いです。
主人公は”謎の浪人”藤巻潤なんですが、その正体は寺社奉行の悪事を暴こうとしている隠密。
しかし事件の解決は実際には妖怪たちが行ってしまうため、最後の最後で傍観者に成り下がってしまうなど作劇上の問題点は幾つかあるのですが、例え寂れていてもお社は大切にしないといけないぞー、でないと祟りが恐ろしいぞー、という教訓は十分に伝わるので良しとしましょう。
ちなみに出番僅かながら強烈なインパクトを残すろくろ首。
演じているのは当時「グラマー女優」と呼ばれた毛利郁子ですが、なかなか妖艶で良いですね。
この後スキャンダルを起こし、映画界を去ってしまったとのことですが。





