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『円卓の騎士』(1953)

何度も映画化されている「アーサー王と円卓の騎士物語」だけど、これはMGMの初めてのシネマスコープ作品ということで映画史的な意義がある、らしい。

映画はアーサーとモードレッドが争っている場面からスタート。
ここでのモードレッドはアーサーの妹(と字幕では訳されていたけど、姉っぽい)モーガンの夫となっている。
モーガンに正当な王位継承権があり、庶子のアーサーなんか認めない、王になるのは自分だというのがモードレッドの主張だ。

『円卓の騎士』(1953)_e0033570_21080446.jpgモードレッドが抜けなかった聖剣エクスカリバーをあっさり引き抜いても、「魔法だ!」と激高する始末。
この映画は2時間弱あるんだけれど、アーサーが王だと認められるまで実に30分以上掛かってしまうのだ。
アーサーもアーサーで自分の出自の正統性を疑いもせず、己の主張を繰り返すのみ。
戦争は避けたいと言いつつ、妥協は一切しないのである。

一方場面は変わって、こちらは旅の騎士ランスロット。
彼はアーサーに仕えるべく王都を目指してるところだったが、道端で出会った美しい乙女イレインに一目惚れされ、更にモードレッド軍に襲われる。
そこへ通りがかったのがアーサー。
二人は協力してモードレッド軍を退け、互いの素性を明かして意気投合。
固い友情で結ばれるのでありました。

そしてようやくモードレッドを打ち負かし、アーサーは晴れて即位。
しかし投降してきたモードレッドの処遇を巡って、アーサーとランスロットの意見が割れる。
禍根を残さぬように処刑すべしとするランスロットに対し、無益な殺生は避けたいアーサーはモードレッドを赦す。
ここで反発したランスロットは、あっさりアーサーの元を出奔してしまう。

そして再びランスロットは旅の空。
美しい乙女がさらわれたというので助けてみると、これが絶世の美女でランスロットはたちまち恋に落ち、相手の女性もまんざらでもない様子だったが、ひとまず二人は分かれる。

アーサーが結婚すると聞いてようやく戻ってきたランスロットだったが、アーサーの傍らにいた女性を見てビックリ! 
なんと自分が助けた美女だったのだ。
一方のグィネヴィアも、自分を救ってくれた騎士が夫の親友で片腕とも言える存在だったことで動揺する。

というところから陰謀劇が始まる。
モードレッドとモーガンは、アーサーとランスロットの仲を裂くためにグィネヴィアを利用しようと画策。
不倫の決定的な証拠を掴もうというのだ。
それを察したマーリン(この映画では魔法使いというより賢者、参謀である)は、グィネヴィアに忠告し、それを受け入れた彼女はランスロットとイレインを結婚させようとする。
ランスロットも不承不承それを受け入れ、辺境の地へと赴くのだが――。

イレインはパーシヴァルの妹で、ランスロットとの間にガラハッドを残して出産時に死亡。
邪魔者マーリンはモーガンによって暗殺。
任務を終えて戻ってきたランスロットとグィネヴィアは罠に落ち、密会現場を押さえられて有罪判決。
しかしアーサーがそれを取り消し追放処分に留めたことで騎士たちの反発を招き、遂にアーサーとモードレッドが激突。
その戦の最中に重傷を負ったアーサーは、駆けつけたランスロットに後事を託すと息絶えてしまう。
今度はランスロットがモードレッドに一騎打ちを挑み、見事にこれを倒す。

パーシヴァルは唐突に聖杯と出会うし、ランスロットもグィネヴィアも赦されたということは、今後は二人で王国を収めていくということなんだろうかとか、ガラハッドは結局赤ちゃんのままなんだけどとか、色々疑問符が浮かんじゃう終わり方なのだが、そもそもこの時間で全てをまとめようというのが無理な話なんだから、よくやったと褒め称えるべきなんだろうなあ。
ガウェインとかガレスとか一体誰?と、元ネタを知らずにこの映画だけを見た人は思うだろうけど。

監督はリチャード・ソープ、出演はロバート・テイラー、エヴァ・ガードナー、メル・ファーラー、アン・クロフォードら。
ビリング順を見てもわかる通り、これはアーサー王の映画じゃなくてランスロットの映画なんである。


by odin2099 | 2021-06-20 21:28 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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