『ダンテズ・ピーク』(1997)
2021年 06月 20日

調査チームと共に残ったダルトンは本格的な調査を進めるが、噴火が差し迫っていることを明確に示すデータは得られず撤収が決まる。
だがその晩、蛇口から茶褐色に澱んだ液体が出てきたのを見たダルトンは給水所へ向かうが、そこは硫黄の臭いに満たされていた。
翌日調査チームは州兵の出動を要請し、住民を集めて説明会を実施する。
だがその時遂に山が噴火した!
「デイライト」や「ツイスター」、「ボルケーノ」、「ディープ・インパクト」、「アルマゲドン」、「フラッド」とちょっとしたパニック映画ブームだった頃に作られた一本で、製作はゲイル・アン・ハード、監督はロジャー・ドナルドソン。
出演はピアース・ブロスナン、リンダ・ハミルトン、チャールズ・ハラハン、ジェイミー・レニー・スミス、ジェレミー・フォーリー、エリザベス・ホフマンら。
洞察力に優れるもののやや独善的な主人公に無理解な上司、利権を優先する為政者といったパニック物の王道を行くキャラクター配置ではあるが、今回は町長がヒロインなので主人公には協力的だし(最終的には恋愛関係に発展する)、一度は主人公の主張を否定する上司もなんだかんだで最後まで調査には付き合い、主人公の主張の正しさが証明された際には謝る度量を見せるなど、根っからの悪人はいない。
街の有力者たちも最初の避難勧告には難色を示すが、いざ噴火となれば全てを見捨てて逸早く逃げ出すので主人公サイドにとって害はない。
ということでストーリーは分かりやすいし、絵的にも見応えはあるし、ブロスナンは格好良いし、娯楽映画としては一級品だ。
久しぶりに見たけれど、古さは感じさせなかった。
実はこの作品、公開当時にかなり無茶なスケジュールで劇場鑑賞した記憶がある。
朝一で「マーズ・アタック!」を見て(こっちにもブロスナンが出てる)、「エヴァンゲリオン」の二本立て――というか実質三本立てで、まず「エヴァ」とは無関係な「魔法学園LUNAR!/青い竜の伝説」の上映があり、その後で「新世紀エヴァンゲリオン/シト新生 DEATH」と「新世紀エヴァンゲリオン/シト新生 REBIRTH」の二本が上映された――を見て、更に「ファースト・コンタクト/STAR TREK」を見てから、ようやく最後に「ダンテズ・ピーク」を見るという組み合わせ。
新宿ピカデリー1から新宿東急、そして新宿オデオン座からの新宿ミラノ座と、一日中新宿の映画館に籠城状態でもう疲労困憊。
ピカデリーはちょっと場所が離れてるけど、後の映画館はみな歌舞伎町で隣接してるからこそで、食事もそこそこに移動時間数分でハシゴしたケースも。
ところでDVDに収録されてる吹替版だとブロスナンが神谷明で、ハミルトンが吉田理保子なのだが、「ゲッターロボ」や「惑星ロボ ダンガードA」を引き合いに出すまでもなく、これは70年代から80年代のアニメファンなら感泣モノのゴールデンコンビである。
もしかすると吉田理保子引退前の、これがコンビ最後の共演作品ではなかろうか。