『ドラゴン・フォース/聖剣伝説』(2014)
2021年 06月 28日

辛うじて難を逃れたギャラハッドは、途中で出会った円卓の騎士仲間であるボース、パーシバル、その妹ディンドランらと共にようやくランスロットを探し当てるが、偉大な英雄はキャメロットを追放後、酒浸りの生活を送っていた。
ギャラハッドは折れたエクスカリバーを何とか治し、実の父であるランスロットを王として抱きキャメロットを再興するべく説得を試みる。
一方モーガンはそれを阻止せんと、ドラゴンを一行に差し向けてきた。
これも「アーサー王と円卓の騎士」の物語。
原題は”Dragons of Camelot”、監督と製作は「処刑教室」「コマンドー」「炎の少女チャーリー」「リトルトウキョー殺人課」のマーク・L・レスター、出演はジェームス・ニッチ、アレクサンドラ・エヴァンス、マーク・グリフォン、サンドラ・ダーネルら。
ここでのギャラハッドはアーサーの息子だが、実はランスロットとグィネビアの不義の子ということになっている。
円卓の騎士は他にエッカート卿が出てくるが、何れもあっけなく死んでしまい、最後まで残るのはギャラハッド、ランスロット、それにディンドランだけ。
マーリンは「魔力を奪われた~、もう駄目だ~!」と終始泣き言を言ってるし、ガーウェイン卿は何故か裏切者と化してモーガンに仕えている。
ドラゴンのCGはそんなに悪くないし、時代考証はムチャクチャながら古城でロケを行ってるのは良い感じなのだが、いかんせん人手不足なので迫力はない。
せめて敵味方共に100人くらいの騎士や農民たちが入り乱れて戦って、というのなら王都奪還シーンも盛り上がるのだろうけど、せいぜい数十人ではただの小競り合いにしか見えない。
元々生死を掛けた戦いというより、単に剣を振り回してるだけの殺陣(と呼べるなら)なのだが。
最後は力を取り戻したマーリンがモーガンを倒し、ドラゴンはランスロットが倒し、ギャラハッドがディンドランと結ばれて王位に就くという形のハッピーエンドなのだが、折れたエクスカリバーを岩に突き刺して再生させ(そんな力があったんだ)、再び引き抜いたのはギャラハッド(ランスロットには抜けなかった)だった。
ところがその後もエクスカリバーを使い続け、一度ならず二度までもドラゴンを退治したのはランスロットということで、結局聖剣が選んだ英雄はどっちだったのかがよくわからないまま。
まあ、あんまり深く考えちゃいけないのかもしれないが。
男優陣は冴えないし、女優陣もディンドラン役の子(アレクサンドラ・エヴァンス)はまあまあ可愛いが、グィネビア(演:セリーナ・ジルズ)は絶世の美女には程遠いオバサンだし、モーガン(演:サンドラ・ダーネル)ももうちょっと妖艶さというか、ハッキリ言ってセクシー美女だったら目にも愉しい作品になっていたと思うのだがなあ。