『ゴジラVSコング』(2021)
2021年 07月 07日
――という気負いがあるのかなあと思っていたけれど、意外にあっさり二大怪獣の激突を描いた物語になっていた。
一応はキングコングが善玉、ゴジラが悪玉ってことになってるけれど、一時は”人類の救世主”と持て囃されたゴジラが何故人類に牙を剥いたのか?にはちゃんと理屈がついている。

ところが終盤、メカゴジラが出現。
ゴジラはその禍々しい存在を察知していて、それで暴れていたというワケ。
コイツは実は”メカギドラ”でもあるのだが、歴代メカゴジラを遥かに凌駕するほど強い!
あのゴジラがコテンパンにやられちゃうのだ。
ここで全ての元凶の存在が明らかになり、満身創痍のコングがゴジラに加勢。
ゴジラ&コングVSメカゴジラという予想外のバトルへなだれ込むのだが、メカゴジラはコントロールを失って暴走気味とはいえ、この強烈タッグが容赦ない。
そしてメカゴジラへのトドメはコングが刺すのだ。
最後は互いの健闘を称えあった両者は、それぞれのテリトリーへと去ってゆく。
以前”極彩色の大決戦”というコピーの付けられた「ゴジラ」作品があったけど、この作品も負けず劣らずカラフル。
しかも単にケバケバしい原色で彩られているのではなく、幻想的な色使いもあったりで実に綺麗な絵を見せてくれる。
そして怪獣同士の組んず解れつの大激闘!
怪獣映画として見たい画は、とりあえず見せてくれたという点で、この作品には十分合格点が上げられる。
相変わらず人間ドラマはグダグダで、例えば小栗旬が演じてることで大きくフューチャーされてるレン・セリザワにしたって、思わせぶりな登場の仕方から「こいつはキーパーソンに違いない」と思ってると、その後はロクに出番がない。
そもそも芹沢博士の息子である必要性もないし(シナリオ段階ではあったのかもしれないが)、二人か三人のモブキャラに置き換えてもストーリーの進行上は全く問題ない。
日本産のゴジラに対して、日本人俳優を起用することで敬意を表した、ってことなんだろうけど。
さて、当初はこの作品を持って<モンスターバース>は完結という話だったが、どうやら続行が決まった模様。
「パシフィック・リム」シリーズとのドッキングも噂されているが、個人的にはどうせなら日本じゃ実現しそうもないガメラとゴジラの対決なんていうのも見てみたいもんだが、今後もゴジラを柱に支えていくのか、それとも他の東宝怪獣やオリジナルの新怪獣中心へとシフトしていくのか等々、レジェンダリー・ピクチャーズの動向にしばらく注目だ。


【概略】 モンスターの戦いで壊滅的な被害を受けた地球。人類は各地で再建を計り、特務機関モナークは未知の土地で危険な任務にあたりながら、巨大怪獣のルーツの手がかりを掴もうとしていた。そんななか、ゴジラが深海の暗闇から再び姿を現し、世界を危機へ陥れる。人類は対抗措置として、コングを髑髏島(スカルアイランド)から連れ出す。人類の生き残りをかけた戦いは、やがてゴジラ対コングという未曽有の対決を引き起...... more

ネットの記事では、
今回の映画でゴジラとの契約が切れるらしく、次は地下世界を舞台にコングの息子を主役にした映画が有力候補らしいですね。
でも、俺も次はガメラが良いなーって思ってます。それを経てのゴジラも含めた三つ巴。パシフィックリムも見たいけど、見たいのはパシフィックリムVSコングではなく、パシフィックリムVSゴジラなんだよなー。
コングを主人公にするとスケールがこじんまりとしたものになりそうで、それが心配です。
ただゴジラを中心にすると、ゴジラと新怪獣との激突がメインになるでしょうから、じゃあどんな怪獣持ってこようか、という話に終始しそうな気もします。
モスラやラドン、キングギドラ、メカゴジラの再登場もありでしょうが、それだけならファンは納得しないでしょうし、未知の新怪獣出しても「お前、誰?」となりかねません。
それじゃあバランとかバラゴンとかガイガンとかアンギラスとか、他の東宝怪獣出しても変わり映えしませんしねえ。
となると他のビッグネームを持ってくるのが、安直ではありますが安全パイということになりそうです。
そこで「パシフィック・リム」とコラボさせるか、ゴルゴやヤンガリー、はたまたガメラを引っ張り込むか、というところなんですが…。
新作は当分先でしょうから、それまで愉しみに待ちましょう。