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『大魔神』

3本も作られたんだから「ガメラ」と並ぶ大映特撮の柱となったシリーズかなと思いきや、年に一本のペースで大映倒産まで7作作られた「ガメラ」と違い、1年で3本とも作られたというからオドロキ。

4作目の企画もあったらしいが、3作目がヒットしなかったので終了。
その後も何度か復活の企画が持ち上がったものの、何れも頓挫。
あ、現代を舞台にしたテレビドラマ「大魔神カノン」っていうのがあったっけ、見たことないけど。

『大魔神』_e0033570_19130522.jpgそんな大魔神が久々にスクリーンに復活する(ゲストだけど)というので、栄えある一作目を再見。
でも今なら特集上映があって劇場で見るチャンスがあったんだ、しまったな。

お話は一種の貴種流離譚で、亡国の若君が国を再興せんと奮闘するというのが大筋で、これに伝説の魔神が絡んでくる。
大魔神というと優し気な顔立ちの武人像が一転して憤怒の表情に変わるシーンが有名だけど、この武人像ってそもそもは魔神の怒りを鎮めるためのもの、いわば封印の鍵だったんだね。

武人像を壊そうとしたので封印が解け、それで魔神が復活するんだけど、その際に神様が武人像に宿って誕生したのが大魔神ってことになる。
そこら辺は今回見直すまで勘違いしてた。

ともあれ中盤までは時代劇としてしっかりと作られ、終盤に差し掛かって魔神が復活すると完璧な特撮(怪獣)映画と化す。
着ぐるみの魔神、実物大のモデル、リアリティのあるセット、巧みな合成とカメラの切り替え、これらが相まって迫力ある画面を生み出している。

CG全盛の今ならばもっと凄い画面を作り出すことも可能だろうけど、作られた時代を考えればパーフェクトと言っても良いくらいの出来栄えだ。
これが「ガメラ」映画と二本立てで公開されたんだから当時の子供たちが羨ましい。
違った意味で、今では先ず実現不可能な贅沢と言えるだろう。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/6327057/


by odin2099 | 2021-07-17 22:56 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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