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『亡国のイージス』(2005)

『亡国のイージス』(2005)_e0033570_17305159.jpg他力本願ばかりだった試写会ですが、ようやく自力で当てました。
ワーナー・マイカル・シネマズ合同の試写会だったので、会場は近所の映画館。それでも場内はほぼ満席だったので、よく当たったなぁと今更のように驚いたりして。

内容は原作読んでないと辛い部分もあり、そうは言っても原作読んだのは随分前だったので細かい部分は忘れちゃったし、というところなんですが、真田広之、寺尾聡、佐藤浩市、中井貴一をはじめとするキャスティングが素晴らしいので、見応えも十分。

それより何より「いやぁ、ホントに映画にしちゃったよ・・・」というのが正直な感想ですね。
映画にして欲しいなーと思いつつ、いやこのスケールを映画にするのは日本じゃ無理だ、やってもどうせチャチなものになるさ、なんて思っていましたが、なかなかどうして凄い作品に仕上がってます。
『ローレライ』『戦国自衛隊1549』に続く福井晴敏原作モノですが、個人的には一番納得かな。
続きはサイト(「しねま宝島」)の方へ後で書き込みます。

* * * * *

追記 以下「しねま宝島」より転載
某国工作員と共謀した副長の宮津により、訓練航海中に自衛隊のイージス艦「いそかぜ」が乗っ取られる。艦内にはアメリカが密かに開発した強力なガス兵器<GUSOH>も持ち込まれていた。幹部を残し乗員を全て退艦させ、全ミサイルの照準を東京へ向けて政府に要求を突きつける実行グループ。最新鋭の防空システムを持つ艦を前に、なすすべもない政府首脳。しかし艦内の構造を誰よりも知る先任伍長の仙石は、「いそかぜ」を取り戻すべく密かに艦内に舞い戻っていた。そしてもう一人、艦内には謎の乗組員・如月行の姿も・・・。
宮津副長が反乱を決意したのは何故か? テロリストたちの真の目的は何か? 如月の正体は? そして仙石は「いそかぜ」を奪還することが出来るのか?

『亡国のイージス』(2005)_e0033570_17312580.jpg公開は7/30からだが、一足お先に試写会にて拝見。
小説読んだときから「映画になれば面白そうだな」とは思っていたものの、「映画化は無理だろうな」「もし映画化されても、しょぼい映画になっちゃうだろうな」と半ば諦めかけていたのだが、見終わった正直な感想は「よくこれだけの映画にしたなぁ」というものだった。
もちろん不満点は多々ある。例えば仙石役の真田広之は原作イメージからすればミス・キャストだし、宮津副長の寺尾聰は部下に慕われているカリスマ的自衛官には到底見えない。そもそも原作の宮津は艦長なのだが、「艦長自ら反乱を起こすという設定はまずい」ということで副官に変更したらしいのだが、その必然性は皆無。結局決起の前に艦長を殺してしまっているので、よりクーデターの正当性が高まったとはとても思えない。それ以外にも原作を改変した部分は多々あり、登場人物の多さから、その個々の関係や背景は原作未読者には甚だわかり辛いという欠点もある。それに小説を読んでいる時はあまり気にならなかったのだが、映画というフィルターを通して見ると、『ダイ・ハード』というか『ザ・ロック』的というか、意外なほど独創性を感じなかったのもマイナス要因かもしれない。
しかし映画的に見れば真田=仙石は正解であり、宮津=寺尾も結果的にキャラクターの人間性というか悲劇性が高まっているのでプラスに作用していると言って良い。中井貴一、佐藤浩市、そして真田といった同世代の役者陣のぶつかり合い。原田芳雄、岸辺一徳、佐々木勝彦、平泉成、安藤政信、原田美枝子、吉田栄作、谷原章介、真木蔵人クラスを大胆に脇に配する贅沢さ。そして一番の要注目キャラである如月を演じた勝地涼のフレッシュさ。どれも映画的に見ての正解というか、見所になっているのだ。
『ローレライ』、『戦国自衛隊1549』、そして本作と今年は福井晴敏のベストセラー小説の映画化が3本続いたが、個人的にはこの作品が一番納得出来た。日本映画にはなかなかないスケール感を味わうためだけでも、映画館に足を運んでみては如何だろうか。
それにしても数年前には、同工のポリティカル・フィクションである麻生幾のベストセラー『宣戦布告』の映画化が、防衛庁や自衛隊の協力が得られずに中途半端な仕上がりになってしまったのとはエライ違いである。今回は防衛庁と海自、空自の全面協力。時代は変わったということだろうか。

Tracked from 七月のうさぎ at 2005-11-13 23:56
タイトル : 亡国のイージス
Aimless AEGIS 2005年、日本 監督: 阪本順治 原作: 福井晴敏 出演: 真田広之、寺尾聰、中井貴一     佐藤浩市、勝地涼、チェ・ミンソ 生きろ 絶対に生きろ―― 豪華キャストと壮大なスケール感が話題を呼んだ大作映画「亡国のイージス」。 良くも悪くも「原作を読んでいるか否か」で評価が大きく変わる作品だと感じました。原作を読了した方にとっては、どこまで原作に囚われずに映画そのものを楽しむことが出来るか・・・ここが最終評価の分かれ目になってくると...... more
Tracked from xina-shinのぷち.. at 2005-12-01 22:47
タイトル : 「亡国のイージス」劇場にて
映画の日ということでファボーレ東宝で『亡国のイージス』を観てきました。海上自衛隊イージス艦〈いそかぜ〉に『溝口哲也(中井貴一)』FTG三等海佐らが乗り込んだ。〈いそかぜ〉に乗り込んだと思われる某国工作員の探索が任務だった。先任伍長の『仙石恒史(真田広之)』は上陸中の若い者たちが起こした喧嘩騒動の処理に追われていた。その場には新しく乗艦した『如月行(勝地涼)』も混じっていた。非番の時間甲板で絵を描くのが『仙石』の日課だった。上手く描けない『仙石』に『如月』は絵のアドバイスを与えた。絵は見違えるような色合...... more
Tracked from Mr.Ericの感じたままで at 2005-12-02 00:12
タイトル : 映画:「亡国のイージス」の感想
注意:ネタばれ大有りなので、これから観る予定の方は楽しみが損なわれることをご承知いただいた上で御覧下さい。原作の内容を全く知らずに鑑賞したのですが、多くの方が指摘して... more
Tracked from 猫姫じゃ at 2006-01-04 00:22
タイトル : 亡国のイージス 06年1本目
亡国のイージス 本数リセット、06年1本目からいきます。 原作知らないし、コミック見たこと無いし、他の方のブログも読んでいません。でも、他の映画のコメントで、評価が低いんだなぁ、と思っていました。 もう、すごい引き込まれた。めちゃくちゃ緊迫感があって、見....... more
Tracked from movie trip at 2006-04-22 23:40
タイトル : 亡国のイージス
鑑賞日  2005年9月27日 劇場   池袋東急 CAST & STAFF 公式サイト 監督       阪本順治 製作       坂上直行           久松猛朗           千野毅彦           住田良能 原作       福井晴敏 脚本       長谷川康夫           飯田健三郎     音楽       トレヴァー・ジョーンズ 出演        真田広之            寺尾聰           佐...... more
Tracked from 土曜の夜は・・・ at 2006-06-14 08:18
タイトル : 亡国のイージス
story 人気作家、福井晴敏の同名ベストセラー小説を壮大なスケールで映画化した海洋サスペンス・アクション。海上自衛隊の最新鋭護衛艦であるイージス艦を乗っ取り日本国家に空前... more
Tracked from ルーピーQの活動日記 at 2006-06-15 23:03
タイトル : ■亡国のイージス
東京湾沖で訓練中の海上自衛隊イージス艦「いそがぜ」で、艦長が何者かに殺害された。宮津副艦長(寺尾聰)は、先任伍長の仙石(真田広之)に、犯人が如月一等海士(勝地涼)であると告げ、乗務員を艦から退去させる。しかし宮津は、某国の対日工作員、ヨンファ(中井貴一..... more
Tracked from OmuhaCinema at 2006-11-03 16:18
タイトル : 亡国のイージス
 海上で国を守る戦士たち、彼らが乗るはイージス艦「いそかぜ」。 一人の戦士は今の日本を「亡国」と言った、主人公たちが乗る船は“亡国のイージス(艦)”というわけだ。 全ての事件は船上の上で起こる、そしてその引き金を引いたのは日本の政府ということなのだろう。 工作員ヨンファが率いる集団により「いそかぜ」は占拠されてしまう、そして彼らの怒りの矛先は東京へと向けられていて,さらに彼らの刃もまた向けられているのだ。 政府、ヨンファの率いる集団と彼らと手を組んだ海の戦士たち、「いそかぜ」の先任伍長・仙石、そし...... more
Tracked from ぶーすかヘッドルーム・ブ.. at 2006-11-05 21:46
タイトル : 「亡国のイージス」「この世の外へ クラブ進駐軍」
●亡国のイージス ★★ 【地上波】阪本順治・監督、真田広之・主演。 海上自衛隊のイージス護衛艦が乗っ取られ、東京が攻撃に曝される危機に!期待していた割にはどうもイマイチ…。 ●この世の外へ クラブ進駐軍 ★★★★ 【NHKBS】萩原聖人主演、阪本順治監督の敗戦直後、進駐軍のバーでジャズを演奏する若者たちの青春物語。敵同士だった元日本兵と米軍人が音楽を通して友情を育む…。戦争ものかと、暗いイメージを持ってみたら、意外や明るい音楽が多様されていてイイ。 ※詳しい感想はそれぞれのリンクにあります。よ...... more
Tracked from はらやんの映画徒然草 at 2008-08-31 20:29
タイトル : 「亡国のイージス」 原作小説のダイジェスト版に見える
少し前に「ローレライ」についての記事で、福井晴敏さんの小説は映画に向かないのでは... more
Commented by 小夏 at 2005-11-14 00:09 x
エクスカリバーさん、TBありがとうございました。
「亡国のイージス」、邦画としてはかなり高レベルでしたよね~。しかし、原作読みとしては納得のいかない部分が多かったことも確かです。
映画としてコンパクトに端折るのは仕方がないとしても、メインストーリーに直結する部分をカットするのは慎重にして頂きたかったというのが本音ですね。
例えば、「ジョンヒ」ですが、映画だけを見た方曰く、「彼女の存在の意味が全然わからなかった」そうです。彼女は極めて重要キャラになるはずだっただけに、これはかなり勿体無い・・・。
映像的には文句なしの素晴らしさだったんですけどねぇ(^^;
Commented by odin2099 at 2005-11-14 22:33
「仙石=真田広之」という時点で、小説と映画は別物と割り切りました。
で、割り切ったら映画は充分楽しめました。
決して出来が良いとは思いませんし、原作読んでるから自分は付いていけるんだ、とは重々承知の上ですけれども(笑)。
Commented by booska1234 at 2006-11-05 21:52
こんにちはーOmuhaCinemaさんのところから来ました。TBさせて下さい。『ローレライ』『戦国自衛隊1549』、原作も未読ですが、原作も面白そうですねー。読んでみたいと思います。
<彼女の存在の意味が全然わからなかった
私も必要性を感じないキャラでした。原作を読んでいたら違ったんでしょうね…。
Commented by odin2099 at 2006-11-05 22:00
こんばんは、いらっしゃいませ。

『ローレライ』と『戦国自衛隊』は、自分も原作未読ですね。
映画版とどれくらい違っているのか、興味津々です。
いずれ読んでみるつもりです。

『イージス』も原作知っていると、どうしても舌足らずの印象は受けてしまいますね。
でも、これだけのスケールでもって、正面切って堂々と映画化してくれた、その事実には感謝感謝です。
by odin2099 | 2005-07-19 22:57 |  映画感想<ハ行> | Trackback(10) | Comments(4)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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