『亡国のイージス』(2005)
2005年 07月 19日

ワーナー・マイカル・シネマズ合同の試写会だったので、会場は近所の映画館。それでも場内はほぼ満席だったので、よく当たったなぁと今更のように驚いたりして。
内容は原作読んでないと辛い部分もあり、そうは言っても原作読んだのは随分前だったので細かい部分は忘れちゃったし、というところなんですが、真田広之、寺尾聡、佐藤浩市、中井貴一をはじめとするキャスティングが素晴らしいので、見応えも十分。
それより何より「いやぁ、ホントに映画にしちゃったよ・・・」というのが正直な感想ですね。
映画にして欲しいなーと思いつつ、いやこのスケールを映画にするのは日本じゃ無理だ、やってもどうせチャチなものになるさ、なんて思っていましたが、なかなかどうして凄い作品に仕上がってます。
『ローレライ』、『戦国自衛隊1549』に続く福井晴敏原作モノですが、個人的には一番納得かな。
続きはサイト(「しねま宝島」)の方へ後で書き込みます。
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追記 以下「しねま宝島」より転載
某国工作員と共謀した副長の宮津により、訓練航海中に自衛隊のイージス艦「いそかぜ」が乗っ取られる。艦内にはアメリカが密かに開発した強力なガス兵器<GUSOH>も持ち込まれていた。幹部を残し乗員を全て退艦させ、全ミサイルの照準を東京へ向けて政府に要求を突きつける実行グループ。最新鋭の防空システムを持つ艦を前に、なすすべもない政府首脳。しかし艦内の構造を誰よりも知る先任伍長の仙石は、「いそかぜ」を取り戻すべく密かに艦内に舞い戻っていた。そしてもう一人、艦内には謎の乗組員・如月行の姿も・・・。
宮津副長が反乱を決意したのは何故か? テロリストたちの真の目的は何か? 如月の正体は? そして仙石は「いそかぜ」を奪還することが出来るのか?公開は7/30からだが、一足お先に試写会にて拝見。
小説読んだときから「映画になれば面白そうだな」とは思っていたものの、「映画化は無理だろうな」「もし映画化されても、しょぼい映画になっちゃうだろうな」と半ば諦めかけていたのだが、見終わった正直な感想は「よくこれだけの映画にしたなぁ」というものだった。
もちろん不満点は多々ある。例えば仙石役の真田広之は原作イメージからすればミス・キャストだし、宮津副長の寺尾聰は部下に慕われているカリスマ的自衛官には到底見えない。そもそも原作の宮津は艦長なのだが、「艦長自ら反乱を起こすという設定はまずい」ということで副官に変更したらしいのだが、その必然性は皆無。結局決起の前に艦長を殺してしまっているので、よりクーデターの正当性が高まったとはとても思えない。それ以外にも原作を改変した部分は多々あり、登場人物の多さから、その個々の関係や背景は原作未読者には甚だわかり辛いという欠点もある。それに小説を読んでいる時はあまり気にならなかったのだが、映画というフィルターを通して見ると、『ダイ・ハード』というか『ザ・ロック』的というか、意外なほど独創性を感じなかったのもマイナス要因かもしれない。
しかし映画的に見れば真田=仙石は正解であり、宮津=寺尾も結果的にキャラクターの人間性というか悲劇性が高まっているのでプラスに作用していると言って良い。中井貴一、佐藤浩市、そして真田といった同世代の役者陣のぶつかり合い。原田芳雄、岸辺一徳、佐々木勝彦、平泉成、安藤政信、原田美枝子、吉田栄作、谷原章介、真木蔵人クラスを大胆に脇に配する贅沢さ。そして一番の要注目キャラである如月を演じた勝地涼のフレッシュさ。どれも映画的に見ての正解というか、見所になっているのだ。
『ローレライ』、『戦国自衛隊1549』、そして本作と今年は福井晴敏のベストセラー小説の映画化が3本続いたが、個人的にはこの作品が一番納得出来た。日本映画にはなかなかないスケール感を味わうためだけでも、映画館に足を運んでみては如何だろうか。
それにしても数年前には、同工のポリティカル・フィクションである麻生幾のベストセラー『宣戦布告』の映画化が、防衛庁や自衛隊の協力が得られずに中途半端な仕上がりになってしまったのとはエライ違いである。今回は防衛庁と海自、空自の全面協力。時代は変わったということだろうか。

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映画としてコンパクトに端折るのは仕方がないとしても、メインストーリーに直結する部分をカットするのは慎重にして頂きたかったというのが本音ですね。
例えば、「ジョンヒ」ですが、映画だけを見た方曰く、「彼女の存在の意味が全然わからなかった」そうです。彼女は極めて重要キャラになるはずだっただけに、これはかなり勿体無い・・・。
映像的には文句なしの素晴らしさだったんですけどねぇ(^^;
で、割り切ったら映画は充分楽しめました。
決して出来が良いとは思いませんし、原作読んでるから自分は付いていけるんだ、とは重々承知の上ですけれども(笑)。
<彼女の存在の意味が全然わからなかった
私も必要性を感じないキャラでした。原作を読んでいたら違ったんでしょうね…。
『ローレライ』と『戦国自衛隊』は、自分も原作未読ですね。
映画版とどれくらい違っているのか、興味津々です。
いずれ読んでみるつもりです。
『イージス』も原作知っていると、どうしても舌足らずの印象は受けてしまいますね。
でも、これだけのスケールでもって、正面切って堂々と映画化してくれた、その事実には感謝感謝です。