『ジャングル・クルーズ』(2021)
2021年 08月 02日
アマゾンの奥地にある<不老不死の花>を求めてやってきた植物学者のリリーとその弟のマクレガーは、紆余曲折ありながらクルーズ船の船長フランクをガイドとして雇うことに。
ところが同じく<花>を狙っているドイツ軍や、ドイツ軍によって眠りから覚まされた呪われた探検家たちの執拗な追撃を受けたり、原住民たちに取り囲まれたりの大騒動が始まる…!

コロナ禍の影響で公開が一年遅れになったが、当初は更にその一年前に公開する筈だったから、合計で二年延期されたことになる。
まあこのフランクが食えない男で、危機また危機かと思いきやツアーの仕込みだったり、リリーとマクレガーの姉弟をからかってダジャレを連発して愛想をつかされたり、どこまで本気でどこから冗談なのかサッパリわからない。
ところが後半になると驚きの身の上話が出て来て、それらも一種のポーズだったことがわかる。
伝説の都エル・ドラドを探し求めたアギーレまで絡んでくるとは…。
そこで、これまでずーっと反発しあっていたリリーとの仲が一気に進展して、最後は勿論ハッピーエンド。
続編の話も出てるようだけど、このままだと二人が結婚して子供が生まれ、そして再び冒険の旅へ――!
そうなると『ハムナプトラ』シリーズみたいになりそうだな。
上映時間は127分。
正直言ってちょっと長い。
もう10分か20分、切り詰めた方がテンポが良くなって小さな子供でも集中出来そう。
同じディズニーに宝探し映画の『ナショナル・トレジャー』よりは、『ハムナプトラ』に近いかな。
あと呪われた探検隊の件は『パイレーツ・オブ・カリビアン』にちょっと似てるかも。
またマクレガーはどうやらLGBTらしいのだが、それがストーリー上で全く活かされず、ただ世間に迎合してたキャラ設定にしか見えないのは別の意味で問題だ。
ところでこのアトラクションシリーズ、『スペース・マウンテン』や『ホーンテッド・マンション』のリメイクらと並んで後に続くのはスカーレット・ヨハンソンの『タワー・オブ・テラー』のハズだったのが、ここへ来て少々雲行きが怪しくなってきた。
というのも主演作『ブラック・ウィドウ』が劇場公開だけでなくネット配信されたことで、自分の取り分が減ったとヨハンソンがディズニーを訴えたからだ。
『クルエラ』に主演したエマ・ストーンも同様の訴訟を起こすようで、後に続く俳優も出てきそうな勢い。
これでディズニーとヨハンソンの関係がこじれたら今後の企画が全部パー。
そうなると今後のブラック・ウィドウの再演も望み薄だ(契約は満了してるようだが、ディズニー側は続投に含みを持たせている)。
そこにはエンタメ界の頂点に立ったと自負しているデイズニーの驕りが根底にあるんだろうけど(マーベルのケヴィン・ファイギもヨハンソンではなく、ディズニーの方を批判してる)、日本でも軒並み劇場からディズニー作品が排除されてることだし、ここは何とか穏便に済ませて欲しいとこなんだが、どうもディズニーは強気で、それがまた業界全体からバッシングを受けることに繋がってるようで。
何とかならないもんかなあ。
不幸中の幸いは、この作品主演のドウェイン・ジョンソンとエミリー・ブラントは、今のところディズニーを訴えるつもりがないことだろうか。
【ひとりごと】
『アギーレ/神の怒り』は見ておいた方がいいかなあ。