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『さくや/妖怪伝』(2000)

宝永四(1707)年、霊峰・富士の大噴火により神々の封印は破られ、地の底より悪しき妖怪が地上に溢れ出た。
この事態を打破すべく幕府は、妖怪を切ることの出来る唯一の妖刀”村正”を持つ一人の少女に密命を下した。
彼女の名は、公儀妖怪討伐士・榊咲夜。
だが”村正”には、妖怪を討つ度に使い手の魂を食らうという恐るべき秘密が…。

主演の安藤希は『ガメラ3』でデビューした新人。
殺陣や科白廻しはまだまだだが、目に力がありキリっとした表情が様になる美少女。
時折見せる穏やかな表情とのギャップもまた魅力的だ。

その彼女のサポートをする二人の忍者を演じた逆木圭一郎の飄々とした味と、嶋田久作の厳格さも丁度良いアンサンブル。
出番僅かながら咲夜の父・榊備前守芳明を演じた藤岡弘と井伊大老役の丹波哲郎は流石の存在感を示したが、圧巻なのは土蜘蛛の女王を演じた松坂慶子。

妖艶な悪の大ボスでありながら、同時に穏やかな母性をも感じさせ、からくり仕掛けの中でもきっちりとした演技が出来ることを証明している。
時間も予算も厳しい中で、よくぞ頑張ったという快作時代劇だ。


以上、「しねま宝島」より転載。

『さくや/妖怪伝』(2000)_e0033570_20300525.jpgワーナー・ブラザース、東芝、日本テレビが共同出資したトワーニの第一回作品で、原案・監督は原口智生

アクションはJACが担当し、特撮は特撮研究所、撮影には東映や日活のスタジオが使われ、松竹京都が制作協力という形で参加しているものの、主演が安藤希で特技監督が樋口真嗣なので何となく大映映画っぽいイメージがある。
それは原口・樋口・安藤の3人が揃って”「平成ガメラ」シリーズの”という冠付けで宣伝されているせいもあるのだが。

ともあれもう20年以上前の作品になるけれど、今見ても十分面白い。
派手さはないものの堅実なキャスト、しかもかなり豪華な布陣だし、貴重な美少女アクション時代劇で安藤希のクールビューティーぶりも決まっていたし(撮影当時の彼女は17歳くらい)、作品も彼女ももっとブレイクしても良かったのにな、と思う。

後年彼女がヌードになった時はショックだったし、更にその後にひっそりとフェードアウトしてしまったのはもっと残念だった。
今でも頻繁にブログを更新しているので、近況を知ることが出来るのは嬉しいのだが。

そしてトワーニ自体もヒット作に恵まれずに数年後に倒産。
最後の作品は庵野監督の『キューティーハニー』だ。


by odin2099 | 2021-08-09 20:32 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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