『バトル・オブ・マジック/マーリンと魔法の神々』(2009)
2021年 08月 09日

原題は”MERLIN AND THE BOOK OF BEASTS”で、これもアーサー王と円卓の騎士物語に材を取ったファンタジー・アドベンチャー。
中世の昏い森の雰囲気などは悪くないが、敵も味方も少数だし、捕まったり死んだり生き返ったりと忙しない。
アルカディアンの正体は、アーサーとモーガン・ルフェイの間に生まれた不義の子モードレッド。
エブリンの異母兄にあたるのだが、エブリンの存在を知ったモードレッドは妹であるエブリンを王妃とし、ペンドラゴン家の血筋を残すため自分の子を産ませようと画策する。
”獣の書”には恐るべき力が秘められているらしいのだが、マーリンにはどうやら使いこなせないようだし、モードレッドもドラゴン戦士や、メデューサ、ミネルヴァ、モイラを呼び出すくらいしか使ってない。
アーサー王伝説は北欧神話の流れを汲んでる筈だが、ゴルゴンの三姉妹ってギリシャ神話だよな。
対する円卓の騎士側はガラハッドの他に、ガラハッドの息子ライサノールとトリスタンのみ。
あれ?ガラハッドが最後の円卓の騎士じゃなかったの?と思っていたら、トリスタンは何とトリスタンとイゾルデの息子なんだと。
トリスタン二世ってことになるんだろうが、この二人、結ばれて子供までなしたのか。
まあそういう伝承もあるにはあるのだが。
マーリンは魔術の力を失いガラハッドも犠牲となるが、エブリンは無事にエクスカリバーを手に入れ(役には立ってないけど)モードレッドを打ち破ってメデタシメデタシ。
彼女は恋仲のライサノールと結ばれ、キャメロットの女王として君臨する。
エブリンはちっとも美人じゃないし、マーリンは頑固で偏屈な爺さんだし、ライサノールもトリスタンもお世辞にもイケメンとは言えないが、まあこんなもんだろう。
これでお話が面白ければ、もう少し見られる作品になっていたんだが。