人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『宇宙戦艦ヤマト/復活篇』

「2199」や「2202」を見た後だと何やら新鮮に感じられる。
川島和子のスキャットが流れ「無限に広がる大宇宙…」のナレーションが流れるだけで「ヤマト」世界に引き込まれる。
このシリーズ定番とも言える始まり方はリメイクシリーズでは敢えて除外しているし、そもそも「2202」ではこの名曲すらあまり使われていない。
旧作との決別宣言なのかもしれないが、「ヤマト」を作る以上外してはならない要素の一つだと思うのだが。

さて作品への感想はこれまでにも散々書いてきたので、今回はツッコミどころを幾つかピックアップ。

貨物船ゆきでは「船長」と呼ばれている古代。
乗り込んだブルーノアの中では大村や桜井とのやり取りの中で「船長」と「艦長」が混在してる。
シナリオのチェック、もっとしっかりやるべきでは?

『宇宙戦艦ヤマト/復活篇』_e0033570_07231104.jpgそのブルーノア艦内で上条は古代を「伝説のヤマト艦長」と認識してるが、古代がヤマト艦長だったのは「III」の時で、「完結編」冒頭で辞任、最後の航海の際には劇中ではハッキリしないものの戦闘班長として乗り込んでるはず(艦長代理を兼務してるのかもしれないが)。
ま、世間にはそう知られているということでいいのかな。

統一感がないといえば折原真帆も、苗字呼びだったり名前呼びだったりで気になる。
クルーたちは基本「真帆」と呼んでるようだが、古代艦長は同じシーンでも気分で切り替えてるみたいで不定だ。
真帆ちゃんに関しては、顔がシーン毎にちょこちょこ変わってるのもなあ。

新生ヤマトの艦長を引き受けた古代が、アクエリアス氷塊のドッグへ向かうシーン、何となく「スター・トレック」っぽいけど故意か偶然か。

出航前に第一艦橋にメインスタッフが顔を揃え、早くも一触即発の上条と小林。
航海班のユニフォーム着てるくせに戦闘班長希望という小林もよくわからん奴だが(後には艦載機班のユニフォームに着替えてるし)、上条を戦闘班長に抜擢したのは古代艦長だよね。
上条に八つ当たりは止めようよ。

その二人を一喝する大村だが、小林はともかく上条とも初対面みたいなやり取りをしてるのは何故だ?
ブルーノア艦内で一緒だったじゃん、もう忘れたの?
それに副艦長を大村に依頼した時に、上条を戦闘班長にする件について古代は相談を持ち掛けたんじゃないかなという気もするんだけど。

決して仲が良いとは言えない上条と小林だが、二人とも桜井のことは「商船学校」と呼ぶ。
上条も小林も宇宙戦士訓練学校卒で、桜井はそうじゃない民間出身から来る差別意識だよね。
周囲に突っかかってばかりの小林はともかく、上条も偏見の持ち主とは。

アマールとSUSの関係を考えると、何故アマールは地球へ支援の手を差し伸べたのかが疑問。
そして地球政府は何故アマールへの移民を決議したのか。
地球移民を受け入れる段階で星間国家連合からの離脱を表明していたならば兎も角、そうではないようなのでアマールがSUSから糾弾されることは必至。
アマールがSUSに屈すれば、今度は地球移民たちが処分される可能性も高い。
それでも地球政府にとって背に腹は代えられなかったということなのか。

ゴルイの判断も軽率。
一個人の判断でエトス星の運命を決めてしまうとは。
「わが国民はわかってくれる」なんて言ってるけど、いくら母星の英雄だからと言って納得する国民ばかりではないはず。
これがガミラスのデスラーのように、国家元首を兼ねているならばまだわかるけれど。
一見すると良い人そうな艦長も、上に従うだけのイエスマンか、それともゴルイ提督に心酔している信者のようにも思えてくる。

このゴルイに感化されたのか、古代も独断でSUSへ宣戦布告を行う。
おいおい、古代は全権大使も兼ねていたのか。
またその時点で地球だけでなくアマールをも戦乱に巻き込んでしまう大事な判断だ。
たまたまイリヤ女王が同じ結論に達したからいいものの、下手をすれば地球とアマールとの協力関係は破談、移民取りやめ、なんてことになりかねない危険な賭けだ。

メッツラーの言によれば、彼らは異種異根の生命体だとか。
ガミラスもガトランティスもデザリウムもボラーも、そしてディンギルも皆いわゆる人間だったけど、人間以外の敵が出てくるのはシリーズ初!
しかし連中が地球(だけ)を目の敵にしてる理由がよくわからん。

自らコスモゼロで佐渡フィールドパークへ生存者の捜索へ出かけた古代。
しかしゼロって複座だよね。
生存者は娘の美雪だけだったけど、他にもいたらどうする気だったんだろう?
娘の捜索だから古代は上条や小林を行かせずに自分が出たというのはわかるけど、そもそもフィールドパークの職員皆の捜索ならば大勢で捜索すべきではないの?

クライマックスでは「交響曲ヤマト」を使っているが、「完結編」クライマックスで”アクエリアス・シンフォニー”が流れたのを思い出す。
これは意図的にダブらせてるよね。
それにしてもなんで真帆だけ死なせるかなあ。
何のためのハッピーエンド選択なんだよ。

そして山ちゃん。
PSソフトとまではいかないが、もっと富山さんの物真似して欲しかったな。
まるで別人で普通に”山寺宏一”として古代を演じているので、これじゃあ山ちゃん起用の意味ないじゃん。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/11764802/
https://odin2099.exblog.jp/12032232/
https://odin2099.exblog.jp/12905208/
https://odin2099.exblog.jp/14795124/
https://odin2099.exblog.jp/20461594/
https://odin2099.exblog.jp/27611631/


Commented by 久保田 at 2021-08-24 17:14 x
奇遇やね〜
私もつい先日見直して、音楽と戦闘シーンの描写に「これがヤマトなんだよな〜」と思ってたとこでした。
それにしてもツッコミどこが的確すぎて私のツッコむ隙がないやん(笑
Commented by odin2099 at 2021-08-24 22:16
> 久保田さん

ま、考えることはみんな同じ、ってことで(^^;
by odin2099 | 2021-08-23 07:28 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur