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『メビウスの悪女/赤い部屋』(2020)

脚本・監督が窪田将治なので『失恋殺人』、『D坂の殺人事件』、『屋根裏の散歩者』に続く<江戸川乱歩エロティックシリーズ>久々の新作かと思っていたのだが、それとは別の新たな<赤い部屋シリーズ>の第一弾とのことで既に二、三作目も公開されている。
草野康太も引き続き出演しているが、今回は明智小五郎役ではない(そもそも明智探偵そのものが出てこない)。
<夏のホラー秘宝まつり2020>上映作品。

『メビウスの悪女/赤い部屋』(2020)_e0033570_18290954.jpg江戸川乱歩の『双生児』を原案に、姉にコンプレックスを持つ妹が姉を殺害して入れ替わろうとする話で、”赤い部屋”での本人の独白という形で進んでゆく。
ということは主人公の企ては成功したか、少なくても罪に問われる状況には至っていないことは察せられるわけだが、その結末は予想のちょっと斜め上を行くものだった。

以下はネタバレ――。

姉を殺害するにあたって妹は、部屋に盗聴器や隠しカメラをセットし、医者である婚約者とのセックスも含めて姉の癖をマスターしようとする。
母親には架空の留学話を持ち出して行動の自由を確保し、姉には妻子ある男性の子供を妊娠したと相談を持ち掛け、秘密を共有するように仕向ける。
そして姉が何か隠し事をしていることを婚約者に匂わせ、疑惑の種を撒いてゆく。

留学の日、結婚した姉夫婦の新居を訪れた妹は、姉の口から夫も知らない話として妊娠していることを告げられるのだが、計画通り姉を殺害する。
だが姉の夫が急遽帰宅したことで計画変更。
姉の遺体はスーツケースに入れて処分するつもりだったのだが、とっさに自殺に見せかけて入れ替わり、夫にその検死報告書を書かせる。

新生活が始まり全ては上手く行ったかに思えたのだが、母親は姉妹入れ替わりに気付いていた。
だが夫はその母親を殺害する。
本当の妻(姉)の妊娠は不倫だと思い込み、むしろ妹の行為に感謝していたのだ。
そして君がいないと生きていけないとまで心情を吐露するのだった。
かくして完全犯罪は成立した。

実際は一卵性双生児とはいえ、母親や夫はすぐに気付きそうなもんだがという疑問符が付くが、残された”夫婦”にとってこれはメデタシメデタシだし、それを得意気に語る主人公の勝ち誇った笑顔で締め括られるので何やら爽快感が残るラストだった。

同じく”赤い部屋”に集っていた人たちによって今度第二、第三の物語が紡がれてゆく、というのがこの新シリーズの趣向なのだろう。
続く『裸の天使/赤い部屋』、『聖なる蝶/赤い部屋』も見るのが愉しみだ。

清水楓は一人二役で姉妹を演じ、初ヌード、初濡れ場に挑戦。
もちろん<エロティカクイーンシリーズ>であれ、<江戸川乱歩エロティックシリーズ>であれ、最近のキングレコード製作の映画は主にグラドルの初脱ぎが売りだから(写真集との連動も含めて)、今回も十分期待に応えてくれる。
他には川野直輝、柳憂怜、波岡一喜、木下ほうか、美保純らが出演し、何人かは次回作へもスライド登板しているようだ。


by odin2099 | 2021-08-27 18:33 |  映画感想<マ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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