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『白馬童子/南蛮寺の決斗』(1960)

『白馬童子/南蛮寺の決斗』(1960)_e0033570_23012096.jpg新任のカプタン、コープスの着任で湧く長崎を、浪人・葵太郎が訪れた。
その長崎で奇怪な殺人事件が発生、その死体の傍には黒い蜘蛛が蠢いていた。
その後貿易商が”黒蜘蛛党”を名乗る一味によって次々と同じ手口で殺され、同業者でただ一人玄海屋だけが生き残る。
犯人を追う葵太郎は、一連の事件は”黒蜘蛛王”こと海賊・荒波雲右衛門の仕業と睨む。
そしてコープスが偽者でその正体が雲右衛門であること、そして利益を独占するため玄海屋は”黒蜘蛛党”と結託して、他の貿易商殺害を依頼していたことを突き止めるのだが…?!

山城新伍が白装束に身を包んだ正義の剣士に扮したテレビドラマ、その第1話と第2話を再編集した劇場用作品。
この頃の東映は<東映特別娯楽版>と称してテレビシリーズと劇場作品を並行して作っていたが、これもそんな一本。

主人公の葵太郎は将軍のご落胤で、事あるときは愛馬・流れ星に跨って名剣・日輪丸を振りかざし、白馬童子となって電光二刀流で悪人どもをバッサバッサと切り捨てるという設定らしいが、これ、後の「長七郎天下ご免!」や「長七郎江戸日記」、「松平右近事件帳」なんかと殆ど同じだなあ。
「白馬童子」は子供番組ではあるものの、「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」にも通じる時代劇の定番ヒーローの系譜に堂々と名を連ねる存在ってことになる。

「白馬童子」の前番組「風小僧」にも主演して子供たち(若い女性たちにも?)のアイドルだったと言われても後年の姿しか知らないので意外にしか感じなかったが、なるほど”第二の大川橋蔵”とも呼ばれた当時の山城新伍はなかなか格好良く、「笛吹童子」や「紅孔雀」などの流れを汲み、更に「ワタリ」や「仮面の忍者赤影」などへ橋渡しをする子供番組のヒーローとしても十分に合格点だ。

今回の映画は実は”前篇”。
葵太郎が窮地に陥ったところで次回へ続く、なので早いとこ”後篇”も見ないといけないのだが、四半世紀ほど前に一度見てる筈なのに、今回見直すまでどんなお話だったかは全く覚えていなかったのは我ながら情けない。
というか、見た記憶すらなかった…。
by odin2099 | 2021-09-06 23:02 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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