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『ザ・キングダム/伝説の騎士と魔法の王国』(2020)

『ザ・キングダム/伝説の騎士と魔法の王国』(2020)_e0033570_19181623.jpgアーサーはランスロット、トリスタンといった配下の騎士を従え、ローマ帝国との戦いに身を投じた。
だが戦には勝利したものの厭戦気分に浸ったアーサーはエクスカリバーを喪い、キャメロットに戻らず酒と女に溺れる自堕落な日々を送ることになる。
そんな折、留守を任せていた息子モルドレッドが義母でもあるグウィネヴィアを自らの妃とし、王国を我が物にせんとしているとの報が入る。
故国と妻を取り戻すため、アーサーは騎士たちと共にキャメロットを目指すのだが――。

原題は”Arthur & Merlin: Knights of Camelot”なんだけど、マーリンはピンポイントで出て来て助言するだけでタイトルに名前出すほどの出番はないし、また邦題に謳われるほど”魔法”も出てこない。
監督はギルス・アルダーソン、出演はリチャード・ショート、リチャード・ブレイク、ティム・フェリンガム、ステラ・ストッカー、ジョエル・フィルモア、ジェニファー・マター。

解説とかを読むとモルドレッドは「不義の子」、グウィネヴィアは「後妻」って書かれてるんだけど、この二人が実の母子じゃないってことはわかるものの、そのあたりは有耶無耶。
モルドレッドがアーサーと先妻の子でその後に再婚した相手がグウィネヴィアなのか、それともグウィネヴィアと結婚する前に(未婚の状態で)誰かとの間に生まれた子がモルドレッドなのか、さてどっちなんだろう。

このモルドレッド、グウィネヴィアを監禁し言い寄るのだが、意外に意気地なし。
グウィネヴィアが入浴中に部屋へズケズケ入ってきて、俺の子を孕ませてやるとかほざいてる割に、怒りに駆られたグウィネヴィアが全裸のままバスタブから立ち上がると、目を背けてそそくさと逃げ出す始末。

ウジウジといえば父親のアーサー王も同類で、国のため、仲間のため、王妃のため、と自分を鼓舞はするのだが、戦いは嫌だとか、女は殺せないとか、自分は王に相応しくないとかしょっちゅう愚痴ってばかり。
これでよく円卓の騎士たちが彼に付いていこうと思うよな。

極めつけはラストシーン。
首尾よくお城に忍び込んで婚礼を阻止し、モルドレッドを追放、国も王妃も無事に取り戻したかに思えたのだが、実はグウィネヴィアは以前からランスロットと出来ていて、二人はとっとと駆け落ちしてしまうので呆気にとられてしまった。

息子に妻を寝取られまいと奮闘したけれど、実はとっくの昔に親友に寝取られてましたというオマヌケぶりなのだ。
まあ確かにアーサー王伝説って要約すればそういうお話なんだけどさあ、これでいいのかなあ。
その後アーサーがどうやって国を治めたのかは非常に気になる。
だってメンタルすっごく弱そうなんだもん。


by odin2099 | 2021-09-13 19:22 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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