『原始惑星への旅』(1965)
2021年 09月 13日

主演がベイジル・ラスボーン、脚本・監督はジョン・セバスチャンとなってはいるものの、実はこれ、ソ連映画「火を噴く惑星」を、ロジャー・コーマンがアメリカ観客向けに作り替えたもの。
音声のみの会話だった地球側の人物が登場するシーンを撮り足し、ただ一人軌道上に残ることになった女性乗組員のシーンを撮り直して差し替え(その結果、宇宙飛行士の一人と恋仲であるという設定はどこかへ行ってしまったようだ)、地球と金星に着陸した宇宙飛行士たちとのやり取りがスムーズに行くように改作しているのである。
台詞はもちろん英語に吹き替えられているが、知らないで見ていれば製作の経緯には気付かないんじゃなかろうか。
お話も基本的にはオリジナル版に沿っていて、全くの別物という訳ではないので不自然さは感じず、ただただその編集の妙技に感服するばかりである。