『魔界探偵ゴーゴリIII/蘇りし者たちと最後の戦い』(2018)
2021年 09月 13日

伯爵が黒騎士だと確信したゴーゴリたちは、次の犠牲は伯爵夫人のリザに違いないと屋敷へと向かうのだったが…。
「魔界探偵ゴーゴリ/暗黒の騎士と生け贄の美女たち」、「魔界探偵ゴーゴリII/魔女の呪いと妖怪ヴィーの召喚」に続く三部作の完結編。
遂に真相が明らかにされるのだが、怪しい奴はみんな怪しいし、展開は二転三転で目まぐるしい。
黒騎士の正体はリザで、伯爵は夫ではなく召使(共犯者)。
160年前のリザとその姉マリアと黒魔術師との因縁。
秘密結社の一員としての顔も持っていたグロー。
そして幼い少女もまた実は魔女と怒涛の展開。
何かとゴーゴリを目の敵にする警察署長も単なる嫌な奴ではなく、実は正義感溢れる人物だったり、水の精は準ヒロイン格かと思いきや利用されてるだけだったり、あの婆さんも実は…という具合に情報量が多すぎる。
最後はグローに丸め込まれる形で村を後にし、酒浸り。
その二年後、どうやら村での体験談を小説という形で発表したところ評判になったらしいことが伺える(それが「ディカーニカ近郷夜話」)。
そしてその読書会に紛れ込んでいた魔界の者。
そのあわや、というところへ現れたのはプーシキン!
彼はグローとは敵対する組織に属しているとのことで、ゴーゴリを仲間へと勧誘するところでエンド。
これ、続編作る気満々だな。
最後までゴーゴリの役立たずっぷりは際立っていて納得のいく結末ではなかったものの、出てくるのは美人ばかりだし、全編を覆うダークトーンも美しい。
続編が作られたら是非見たいと思う。

【概略】 妖怪・ヴィーとの決戦で一命を取り留めたゴーゴリは、‘黒騎士’の容疑を掛けられ逮捕されてしまう。同じく収監されたヤキムから、ゴーゴリは自身の出生の秘密を打ち明けられ…。 ファンタジー .5★★★☆☆ 魔界探偵ゴーゴリが難事件を解決するダークSFファンタジー最終章。 ゴーゴリを愛する水の精となった霊の女性は、伯爵に取引(生き返られる代わりに魂は地獄に落ちる)をもちかけられる。 それと...... more