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『金星怪獣の襲撃/新・原始惑星への旅』(1968)

ソ連映画「火を噴く惑星」を「原始惑星への旅」に作り替えたロジャー・コーマン先生が、更に手を入れて別物に仕立てた怪作で、監督のデレク・トーマスとはピーター・ボグダノヴィッチのこと。
また一説によると、前作「原始惑星への旅」にはフランシス・フォード・コッポラが参加していたとの説もある。
コーマン・スクールには玉石混交の人材が集っていたんである。

『金星怪獣の襲撃/新・原始惑星への旅』(1968)_e0033570_21082788.jpg「原始惑星への旅」と違い、こちらはストーリーもかなりいじられている。
3隻の宇宙船が同時に打ち上げられたのではなく、1隻目が隕石にぶつかって宇宙の藻屑と消えたため、半年後だったかに2隻目を打上げ、それも着陸時に遭難したらいいと見るや、すかさず3隻目を打ち上げる、という展開。
1隻目に事故があってから、バックアップ体制を強化したんだろうか。

また乗組員は男性ばかりで女性は一人も出てこない。
「火を噴く惑星」及び「原始惑星への旅」での紅一点だった女性乗組員の名前は、何故かプロジェクト名になっている。
そして乗組員の一人のモノローグで進行していく。

金星へ到着してからの展開は概ね原典通りだが、恐竜やら怪しい食肉植物やらが出てくるシーンはかなり切られ、代わりに追加されてるのが貝殻ビキニを身に着けた金星人美女のシーン。
オリジナル版では歌声が聞こえるだけで姿は見せず、発見された加工物から地球人とよく似た容姿だっただろうと推測させるに留まっていた金星人がバッチリと姿を現すのだ。

しかし地球人たちを見守り導く上位者として扱われていたオリジナル版と違い、こちらでは先住民族。
地球人を侵略者と看做して襲い掛かろうとするのだ。
もっともビキニ美女(というか人魚みたいだが)の場面は勝手に撮り足したものなので、当然のことだが登場人物たちとは直接は絡まない。

その代わりに劇中の出てくる翼竜の死骸や溶岩で溶けたロボットといった小道具を新たに作り、強引に物語に整合性を与えようとしているあたりに商魂の逞しさを感じるのみだ。
それ以外にもおそらく他の映画からの流用と思われるシーンもあり、あくまで”別物”と主張したいのだろう。
by odin2099 | 2021-09-15 21:14 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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