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『妖婆 死棺の呪い』(1967)

『妖婆 死棺の呪い』(1967)_e0033570_19262676.jpg休暇で仲間二人と帰省する途中の神学生のホマーは、とある小屋に一夜の宿を求めた。
その夜老婆がやってきて彼の背に飛び乗り、空高く舞い上がる。
地上に戻った彼は恐怖に駆られ、老婆を滅多打ちにする。
すると突如、彼女は若く美しい娘の姿へと変貌するのだった。
恐ろしくなったホマーは修道院へと戻るが、そこへ彼宛に地主から娘のための祈祷の依頼が来ていた。
有無を言わさず村へ送り込まれた彼の元に、件の娘が亡くなったとの報せが届く。
その娘とは例の老婆が変身した若い美女だった。

ゴーゴリの短編を映画化したのので、以前は「魔女伝説ヴィー」のタイトルでビデオ化されていた。
最近「魔界探偵ゴーゴリ」を見終わったので、その流れで鑑賞。

ホマーは地主から、死んだ娘の為に三日三晩祈りを捧げることを命じられるのだが、夜毎彼女は蘇りホマーを求め、ホマーは白線を引いて結界を作り何とかやり過ごそうとする。
ホラー映画ではあるもののどちらかというとファンタジー映画寄りで、しかも全体的にコミカルテイストなので直接的な怖さはない。

ただ二日間逃げ果せたホマーも三日目には見つかってしまい、このクライマックスは正に百鬼夜行の様を描いているのだが、ここでも西洋の魔物よりも日本の妖怪に近いユーモラスさを醸し出し、「怖さ」の中にちょっぴりの「笑い」も感じさせるものになっている。

地主の娘の本当の姿は若い娘なのか、老婆なのか。
彼女は正真正銘の魔女だったのか、それとも単に娘に憑りついただけか、或いは姿を借りただけなのか。
そして地主や村人たちは全てを知っていたのか否か。
その謎はとうとう明かされずじまいなのだが、80分足らずの小品としては手堅くまとまっている印象。
おまけに魔女役のナターリヤ・ワルレイがかなりの美人なので、眼福、眼福。


Tracked from いやいやえん at 2021-09-17 21:40
タイトル : 妖婆 死棺の呪い
【概略】 神学生は休暇で帰郷する途中、宿の老婆に迫られた。ホウキに乗った老婆は逃げる学生に馬乗りになって空高く舞い上がる。地上に降りたとたん、神学生は老婆を叩きのめすとグラマーな美少女に変身。彼は恐れをなしその場を去る。神学校に戻った彼は、地主から死んだ娘の祈祷を頼まれた。娘とはあの美少女だった…。 ホラー .0★★★☆☆ 1967年ソ連映画(現:ロシア映画)作品で、大変楽しい映画です...... more
by odin2099 | 2021-09-17 19:29 |  映画感想<ヤ行> | Trackback(1) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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