人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー』(1993)

清朝末期の浙江、人々は政治の腐敗で苦しめられていたが、そんな彼らの支えになっていたのは、悪徳官僚から金品を盗みそれを人々に施す義賊・鉄猿の存在だった。
旅の途中でこの地に立ち寄った黄麒英(ウォン・ケイイン)と飛鴻(フェイホン)父子は、役人によって鉄猿と疑われ囚われの身となるが、偶然知り合った名医ヤンに助けられる。
二人はたちまち意気投合するが、実はヤンこそが鉄猿の正体だったのだ。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー』(1993)_e0033570_21351555.jpg原題が「少年黃飛鴻之鐵馬騮」で、製作はツイ・ハーク
ということでこれは正当な<ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ>シリーズの外伝ということになる。
父子が登場する場面でさっそく「男兒當自強」のメロディが流れ、以後もケイイン、それにフェイホンのアクションシーンではしばしばこのメロディが使われる。

監督はユエン・ウーピンで、ドニー・イエンがフェイホンの父ウォン・ケイイン、ユー・ロングァンが義賊としての顔をも持つ漢方医のヤンとしてダブル主演。
少年時代のウォン・フェイホンを演じているのは、なんと12歳の少女というから驚きだ。

初めのうちは対立していたケイインと鉄猿だったが、ヤンはフェイホンを通じて早くにケイインの為人を知り、またケイインもヤンが鉄猿だと知り、クライマックスでは悪徳総督や監督官を倒すべく共に立ち上がるという胸熱な展開に。
またフェイホンも子供ながらかなりの活躍を見せる。

本編でのフェイホンは権力の壁に阻まれ、歴史の流れに翻弄されて無力さを感じることも少なくないが、この作品は勧善懲悪のハッピーエンド。
最後はヤンとケイインの別れで締め括られるが、本編の方で二人が再会するシーンでもあれば感泣モノだったろう。

欠点はドニー・イエン演じるケイインが四角四面で且つ強すぎるので、本編に出てくるケイインとはイメージが繋がらないこと。
もっともこの父にしてこの子あり。
本編に出てくるフェイホンの融通の利かなさや優しさや強さは、父から受け継いだものなのだなあと感じさせてくれる。


Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2021-09-21 20:41
タイトル : 『アイアンモンキー』をシネマート六本木3(B1F小)で観..
五つ星評価で【★★★映画は面白いよ、適当に】   昔、ファーストランと最終二番館興行(多分、テアトル池袋)で見てる。 ソフトとそれを掛ける上映設備との相性や兼ね合いもあるのかもしれないけど、ともかく今回の上映はヘロヘロだった。先週観た『MAD探偵』もヘロヘロだったからシネマート六本木の3は設備的にあかんのかもしれん。音は暑い所に放置したカセットテープみたいに波だったし(但し、冒頭映画会社マ...... more
Commented by ふじき78 at 2021-09-21 20:40 x
予告観て、そうそう傘とか思いだした。
少女が少年を演じると育ちがよく映りますね。
Commented by odin2099 at 2021-09-21 21:55
> ふじき78さん

フェイホンの入浴シーンがあるのは、演じてるのが少女だからなのかな。
もうこの人は40歳くらいになってるんだろうけど、まだ映画界とか、あるいは武道の世界で活躍してるのかなあ。
by odin2099 | 2021-09-19 21:38 |  映画感想<ワ行> | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur