『スーパー戦闘 純烈ジャー』(2021)
2021年 09月 20日
――という設定で描かれる<スーパー戦隊>シリーズのパロディ映画。
企画協力(出演も)が山本康平だったり、プロデューサーに塚田英明が名前を連ねていたり、アクション監督が竹田道弘でスタントはJAE、キャラクターデザインが野中剛、そして監督が佛田洋と本格的な布陣を揃えている。

ただ白川裕二郎が赤、小田井涼平が青、酒井一圭が紫というのは純烈としてのもの。
ヒーロー時代のカラーイメージとは違うので、その頃しか知らない人はちょっと混乱するかも。
このメンバー内では唯一ヒーロー未経験の後上(オープニングでは「新人」としてクレジットされてる)の担当カラーは緑だが、劇中でも”未熟者の緑”として扱われている。
他の出演者は小林綾子、出口亜梨沙、ふせえり、中島ゆたか、しのへけい子、松下恵、それにヒーローに対する”四天王”は岩永洋昭、松本享恭、白又敦、龍真とこれまた強烈な顔触れ。
内3人が元仮面ライダー(でかつ宇宙刑事が1人)だ。
更に悪の女王を演じるのが小林幸子。
”ラスボス”の名に恥じない貫禄、と同時に憎めないチャーミングさは、おお!曽我町子に匹敵!
更に更に純烈をスーパーヒーローにした”温泉の神様”を前川清が演じている。
出来上がった作品はヒーロー物のパロディというより、今は絶滅してしまった”歌謡映画”になっている。
ミュージカル調のシーンもあり、てっきり「アキバレンジャー」に続く”非公認戦隊”枠かと思ったのだが、実際のところあまり<スーパー戦隊>っぽさはない。
確かにグループヒーローではあるものの、集団で片を付けるのではなく、一人一人に単独の見せ場が用意されてる感じだ。
公開前に続編の製作が決定し(公開日の翌日からクランクインだったとか)、異色のヒーロー物としてジャンルの開拓者になれるかどうか。
「ゼブラーマン」や「Mr.マックスマン」も一応はシリーズ化されたからなあ。
それにしても勿体ないのは友井クン。
脱退(というか事実上のクビ)じゃなければ、彼もまた再びヒーローになれるチャンスだったのに…。
【ひとこと】
キャスト所縁のゲストが山本康平だけなのはちょっと寂しいかな。
金子昇とか弓削智久 あたりがカメオ出演してくれたら狂喜乱舞だったのになあ。

◆『スーパー戦闘 純烈ジャー』109シネマズ木場6 ▲戦隊シリーズゆかりの大地で戦う。基本、銭湯では戦闘しない。 五つ星評価で【★★但し、小林幸子の巨大感は素晴らしい】 特撮部分(スーツアクターに変わって純烈が出ていない部分)は基本、出来が良い(と言うより売りになる絵がある)。人間ドラマ部分は安くて遅くて薄い印象。いや、別にこれ見て感動しようとかは思わないから、特撮ドラマが成立するように...... more

丹波哲郎に引き続き、前川清まで風呂の神様に!