『スイング・ステート』(2020)
2021年 09月 20日

初めは渋るジャックだったが、ゲイリー自ら指揮を執ることを条件に受諾。
ジャックの娘ダイアナや住民の協力を得て選挙活動が始まった。
ところが対立候補となる現職のブラウン町長の陣営に、ゲイリーの”宿敵”である共和党のコンサルタント、フェイス・ブルースターが乗り込んできたことから、事態は大きく動き出してゆく。
片田舎の選挙を舞台に、ライバル同士のゲイリーとフェイス(かつて恋仲だった?)がドタバタバトルを繰り広げるポリティカル・コメディなのかなと思っていたらちょっと違った。
表面的には確かにそういう構図になっていて、互いに意地を張りあう二人は負けた方が勝った方のアソコをナメナメして奉仕するという賭けに出たりするのだが(ちょっと待て。これのどこが罰ゲームなんだ?)、実は政治のプロを自任し素人だと上から目線で選挙を仕切ったつもりでいた二人が、本当は強かだった地元民たちから手痛いしっぺ返しを喰らわされるというお話だったのだ。
このあたりはアメリカの選挙制度を知らないと、何が何やら狐につままれたような気持になるのだが、真相が一挙に明らかになる終盤はラブコメというよりミステリー・サスペンス物のどんでん返しのような快感がある。
これは実際に起きた事件にヒントを得たフィクションだそうだが、政治を題材にした映画も色々作りようがあるということだ。
主演はスティーヴ・カレル、セクシーな政敵フェイスは「X-MEN」や「ピーターラビット」とはまるでイメージの違うローズ・バーン、退役軍人のジャックは「遠い空の向こうに」や「アメリカン・ビューティー」のイカツイ親父クリス・クーパー、その娘の可憐なダイアナを演じたマッケンジー・デイヴィスは「ターミネーター:ニューフェイト」の女戦士だった人!わかんないもんだねえ。
脚本・監督はジョン・スチュワートで、製作はブラッド・ピット率いるプランBである。