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『柔らかな肌』(2009)

『柔らかな肌』(2009)_e0033570_10040543.jpg昏睡状態の少女アジアが病院へ運ばれてくる。
心配そうに見つめる母親とボーイフレンド、彼女に一体何が…?
物語はそこから、現在と過去を交互に行き来していく。

離婚後に父を事故で失ったアジアは、母の手一つで育てられた。
友人たちやボーイフレンドとの、愉しくはあるが代わり映えのしない毎日。
そんな中で彼女は、変わり者だと敬遠されている少女エロイーズに興味を抱く。
ヌードデッサンのモデルの依頼を引き受け彼女と一緒の時間を過ごすうちに、アジアはどんどんとエロイーズに惹かれていく。
そしてある夜二人は遂に結ばれるが、二人の関係は母親の知るところとなり……。

母親は過干渉だし、友人の軽いノリには付いていけない。
ボーイフレンドは誠実だが退屈。
となるとミステリアスな美少女が気になりだすのも無理のないところ。
しかもエロイーズが同性愛者だと知ってから、アジアの心は大きく乱れていく。

深夜のホテルのプールに忍び込んで全裸で泳ぐ二人のシーンは、幻想的でかつエロティック。
そのままアジアの部屋で一夜を共にするのだが、ここでは直接的な描写はなく、朝目覚めたアジアが首筋にキスマークが残っていることに動揺し、混乱した挙句にエロイーズを拒絶してしまうというやり取りがあるのみ。

その後で二人は再度ベッドを共にすることになるが、ここでは濃密な絡みが描かれる。
アジア役のディアナ・ゴメスとエロイーズ役のアリアドナ・カブロル、共に癖のある顔立ちなので好き嫌いは分かれるだろうが、ここまでくると二人の官能的な表情に酔いしれるのみだ。

母親に交際を反対され、飛び出していったエロイーズを追いかけるアジアは、ボーイフレンドの目の前で車に轢かれて冒頭のシーンへと繋がる。
治療の甲斐もなくアジアは息を引き取るのだが、ラストシーンは何処かへと旅立とうとするアジアとエロイーズのショット。
ここだけ見れば完全なハッピーエンドだが、一方で打ちひしがれる母親の姿も描写される。
娘を愛して失った、母親視点で締め括る残酷な結末でもある。


by odin2099 | 2021-09-26 10:06 |  映画感想<ヤ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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