
劇場版「スター・トレック」の7作目で、前作までの<TOS>メンバーに代わり今作から<TNG>メンバーが主役に。
といっても本作の売りはカークとピカード、二人の艦長の共演。
ということで発端は<TOS>の時代で、解決編が<TNG>の時代という変則的な二部構成になっている。
カーク役のウィリアム・シャトナーが今月12日、齢90にして民間の宇宙船で宇宙へ出発するということで、カーク艦長が最後の勇姿を見せる本作を引っ張り出してきた次第。
しかしシャトナーが元気なことも素晴らしいが、この年齢でも宇宙へ行けるなんて良い時代になったもんだなあとしみじみ思う。
ただこの作品の出来そのものには些か疑問符が。
二人の艦長の共闘は確かに魅力的ではあるものの、二人を相手取るにはソランでは力不足。
特に両者と因縁がある相手ではないし、ソランにとっても二人は単なる障害でしかないので物語が盛り上がらない。
そしてわざわざカークを死なせる必要があったのかどうか。

例えばシャトナー自身がシリーズとの決別を宣言し、二度とカークが復活出来ないような結末を望んだとかいうのなら話はわかるのだが、シャトナーは自らこの映画の続きとしてカークが復活して再登場する小説を書いているくらいなので、英雄の死というものをただのイベントとしてしか考えてないようで残念だ。
またサブプロットで、データがチップを埋め込んで感情を得る件もストーリー全般が取っ散らかった印象を与えてしまいマイナス。
あれもこれもと詰め込み過ぎて破綻してるようで、これはこれで別のストーリーとして描くべきだったのではと思うのだが。
ともあれこれで劇場版も<TOS>から<TNG>へと橋渡しは終了した。
今後しばらくは劇場での<TNG>シリーズが続いていく。
【ひとりごと】
撮影時はシャトナーが62か63、ピカード役のパトリック・スチュワートが53か54くらいだと思うが、シャトナーの方が若く見えるな。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/10308869/
【追記】
悪天候で延期されたもののシャトナーを乗せた民間の宇宙船は14日に打ち上げられ、宇宙空間に到達した後、無事に地球へと帰還した。
宇宙船の乗組員の役を演じ、実際に宇宙飛行を体験した初めての俳優となったのである。