『遊星王子』(1959)
2021年 10月 14日
はたして翌日、時間通りに宇宙船を着陸させた”まぼろし大使”は、有無を言わさず周囲を取り巻く警官たちを攻撃、殺害する。
するとそこへどこからともなく謎の空飛ぶ円盤が飛来、中からは「平和の使い”遊星王子”」と名乗る白いコスチュームに身を包んだ人物が現れた。
実は”まぼろし大使”は画期的なロケットの燃料を狙って地球にやってきたのだが、”遊星王子”はそんなことは全てお見通し。
ここに”遊星王子”の活躍が始まるのであった。

その遊星王子、普段は靴磨きのワクさんという青年として暮らしている。
といっても変身シーンはないし、劇中の登場人物たちも誰も遊星王子とワクさんを結び付けて考えたりしない(接点がなさすぎるから当たり前か)。
これはテレビ版も同様なんだけれど、この時代だと市井の暮らしに溶け込んで情報を収集したりするのに都合のいい職業だったのかなあ。
今の時代に靴磨きになんかに扮したら目立って仕方ないし、通行人から邪魔者扱いされるだろうな、きっと。
で、このワクさん=遊星王子を演じてるのが梅宮辰夫で、「くいしん坊万才」あたりからのイメージしかないと誰だかわからないくらい細面の二枚目ぶり。
ただ台詞回しに力がないし棒読みだし、山城新伍や千葉真一と違って所詮この人にヒーロー物は無理だった。
物語は”まぼろし大使”を倒して一応は終わり。
前後編の前編なんだけど、あからさまな”遊星王子”の危機では終わらなかった。

企画「さらば銀幕の番長 追悼梅宮辰夫」から1プログラム。 ◆『遊星王子』新文芸坐 五つ星評価で【★★たつにいの仮面時代】 1959年、白黒、57分、初見。 TV版とデザインが異なるがマスク姿はなかなかシャープ。スーパー・ジャイアンツ的なモッサリしたTVの衣装より数段イカしている。光線銃の「ズバッズバッ」みたいな効果線はかなりかっこいい。 敵は銀星人。「遊星王子」の世界では、金星ライクで太陽...... more