
目次から抜粋すると第一章から順に「
弱い王と祟る神」、「
『神と巫女』と天皇」、「
藤原氏に『鬼』にされた人々」、「
『鬼』の物語に潜む真相」の四章仕立て。
いきなり「天皇は鬼だった」と言われてもキョトンだが、古来恵みも試練も与える強大な力を持つものは全て「鬼」であり、神々の末裔とされる古代天皇家もまた「鬼」とされてきた、という前提部分を「お、なるほど」と思えるのならば面白く読めるだろう。
「鬼」は「星」に通じるという説も聞いたことがあるが、「鬼」というと角が生えていて赤ら顔だったりというイメージを持つ人は少なくないと思うが、そのイメージを払拭するのは並大抵ではない。
その点が本書の弱点、ハードルの高さかなと思う。
そういった一般的なイメージを切り捨てた強い存在、それが「鬼」なのだと認識を改めるところから始めねば。