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『徳川埋蔵金はここにある/歴史はバーで作られる2』 鯨統一郎

『徳川埋蔵金はここにある/歴史はバーで作られる2』 鯨統一郎_e0033570_19274662.jpg気鋭の歴史学者・喜多川教授と、その弟子の学生・安田学が立ち寄ったバーには、美人バーテンダーのミサキと歴史学者を自称する村木という常連客の老人がいて、他愛もない会話から気付くと歴史談議が始まるという著者お得意のバーミステリーの新シリーズ、そのものずばり『歴史はバーで作られる』の第2巻。

今回収録されているのは、東洋の竜と西洋のドラゴンは同じものなのか否かを推理する「竜とドラゴンは別の生物」、登場人物が多く複雑な人間関係が絡みあって難解とされている応仁の乱は、実は単純明快だったという「サルでも判る応仁の乱」、島原の乱の首謀者・天草四郎は架空の人物だった、では実際に指揮していたのは誰かの謎に迫る「遠い国から来た天草四郎」、そして表題作になっている「徳川埋蔵金はここにある」の四篇。

応仁の乱の新解釈は「確かにそうなんだけどさー」「それを言ったらなんでもそうなっちゃわない?」という気がするし、天草四郎の正体は「そうだったら面白いな」とは思うものの、全体的には帯にあるような「通説を打ち破る”新説だらけの歴史ミステリー小説”」というほど気宇壮大なものではないかな。

それよりもミサキと村木老人という謎だらけの二人に怒涛の展開が待っていて、そっちの方が気になって仕方ない。
当然第3弾はあるのだろうが、前作が五篇、今回が四篇なのは偶然か、それとも<女子大生桜川東子の推理>シリーズ同様のカウントダウンなんだろうか。
by odin2099 | 2021-10-25 19:31 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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