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『忍風カムイ外伝/月日貝の巻』(1971)

自分と同じ抜け忍のスガルを助けたカムイだったが、猜疑心の強い彼女はカムイを信用せず、二人は刃を交えることになるが、カムイに敗れたスガルは崖から落ち、川に飲み込まれてしまう。
その後、領主に追われる半兵衛を助けたカムイだったが、今度はカムイが乗った船が転覆し逆に半兵衛に助けられることに。
だが半兵衛の妻はスガルだった。

やがてスガルはカムイが追手ではないことを信じるようになるのだが、今度は娘のサヤカがカムイに惹かれていくのに気付き苦悩するようになる。
そんな折、新たに大頭の差し向けた追手が、カムイやスガルたちに迫っていた。

『忍風カムイ外伝/月日貝の巻』(1971)_e0033570_19105071.jpgテレビアニメ『忍風カムイ外伝』の21~26話に、新作カット加えて再編集した劇場用映画。
『カムイ外伝』は多分再放送だと思うが好きで見ていて、更に原作である白土三平の漫画もそれこそボロボロになるくらい繰り返して読んだのだが、実はこのエピソードは原作にはない。

放送中に原作のストックが尽き、新たに書きおろして貰ったストーリーだからだ。
後年改めて漫画化されているが、未だにきちんと読んだことはない。
そしてこの劇場版も初鑑賞。
白土三平の訃報が届いたのを機に、久々にアニメ版の「カムイ外伝」に触れた。

単なるオムニバスではなく連続したストーリーをまとめたものなので見応えは十分。
カムイ、スガル、サヤカのキャラクター描写も細やかで、実写と見紛うばかりのアクションシークエンスの表現は今見ても新鮮である。
大人視点を保って作られた、早すぎた傑作と言えるだろう。

印象的なシーンはやはり、月夜の浜辺でサヤカがカムイに愛を告白する場面。
海に潜って月日貝を取ってきたサヤカはカムイに貝殻の一片を手渡し、二枚の貝は互いに引き合うというその伝承を話し将来一緒になろうと話す。
この時のサヤカは着物を脱いで海に入り、そのままカムイの前に姿を見せるので当然全裸なのだが、流石のカムイも戸惑いの表情を見せていた。

実はサヤカは脱ぎっぷりが良く、半兵衛が遭難したカムイを家に連れ帰ってきた時も、真っ先に着物を脱いでやはり全裸でカムイの身体を温めている。
このシーンではスガルも全裸で一緒になってカムイの身体を温めているのだが、自分の女房と娘に裸になって若い男に抱きつけと命じる半兵衛も如何なものかなという気もしないでもないが、こういうのは現代の感覚で捉えてはいけないのだろう。
命を付け狙ってる相手と肌を合わせるなど、スガルにとっては屈辱以外の何物でもないだろうが。

これら二人のヌードシーン(サヤカとスガルの脱衣シーンと、サヤカが海で泳ぐシーン)は心なしか作画枚数も多いように感じられるが、何れにせよ今なら地上波で放送されるアニメ番組ではカットされるか、少なくても直接的に描写されることはないだろうと思う。

【追記】
テレビアニメ版のタイトルは『忍風カムイ外伝』だが、この劇場版のフィルムで表示されるタイトルは『カムイ外伝』で、「忍風」の文字は付かない。



by odin2099 | 2021-10-30 19:13 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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