『地球へ・・・』(1980)
2006年 03月 13日
以下「しねま宝島」から転載。
東映アニメーション・ファンクラブの会員アンケートで、アニメ化希望の第一位だったとかで映画化が決定したんだそうである。
そういえば我が家にもアンケート用紙来てたっけ(実は割と早い時期からの会員だったりして)。
とは言うもののこの作品、世間的にはどの程度認知されていたものやら。
春休みではなく何故かゴールデン・ウィークの公開だったこともあったが(その為公開初日には見に行けず――学校休んで並んだヤツもいたけど――二日目の早朝から出掛けた)、”『999』から『地球へ…』”と前年から宣伝を繰り返していたものの、興行成績は芳しくなかったとのこと(夏休みに再公開していたが、どのくらいの人が見に行ったのだろう?)。
映画としての出来が決して悪くはなかったので、この結果は非常に残念である。
この作品がもう少しヒットしていたら、松本零士作品だけでなくもっと多くのアニメーション大作が産み出されていたかも知れず、そうなればアニメブームの帰趨も今とは違ったものになっていた可能性もあったろう。
作品の存在だけでなくその内容にも派手さはないが、ブームの熱気の中で作られた「渋い」大作として再評価して欲しい。
公開当時はのれなかった人も、今の目で見直して。
とはいえ、作品に対する不満がないわけではない。
というよりも、どちらかといえば当時は不満だらけだった。
映画化決定の報を聞いた時点では僕も原作を知らなかったが、映画を見に行くにあたってはきちんと原作を読んでいた(といっても総集編の出ていた第三部までで、完結篇の第四部はまだ連載中だった)。
それにアニメ誌などで予備知識を仕入れていたにもかかわらず、ストーリーがわかりづらいのだ。
逆にあれだけ長大な原作をよく二時間で再構成したなと言えなくもないのだが、上映時間が『ヤマト』や『999』並みにあと10~20分長ければ、おそらくここまでの物足りなさを感じることはなかったろう。
特にシナリオを読むとある程度流れに納得出来るのだが、完成作品からはシーンやセリフがバサバサ切り落とされているのが残念である。
そしてもう一つ、作品の完成度を一気に下落させたのがキャスティングである。
現在のスタジオ・ジブリ作品にも通じる、本職ではないメンバーをメインに据えるという愚挙に出たのだ。
「声優の演技はパターン化しているから」という理由によって。勿論、志垣太郎(ソルジャー・ブルー)や岸田今日子(グランド・マザー)のような実績ある経験者は良い。
意外なはまり具合で健闘した沖雅也(キース・アニアン)にも合格点を上げても良いだろう。
しかしそれ以外のキャストは…。
なまじ脇で起用したいわゆる人気声優やベテラン陣が好演しているだけに、余計勿体無い(というよりも、むしろ作品を救っている)。
この英断によって、本来大事にしなければならなかったはずのアニメファン層の何割かは確実に脱落している。
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最初は落胆でしたかぁ、私は最初から感動しましたねえー。
原作を後から読んだからかしらね?
絵はともかく、話やキャラはかなりイイと思うんで
映画で初めて観たんで素直に感動出来たのかもな~。
原作を先に知ってたら…もしか絵にはガッカリしてたかも…?
シナリオやノベライズを読んだ段階では、あれだけ長い作品を良くまとめたなぁ、と感心したのですが、実際の映画ではシーンやセリフがブツブツ切られてしまっているので、これじゃわかんないよ~!という気持ちが強かったのです。
例えば、トォニイからキースを守ってマッカが殺されるシーンなど、残しておいて欲しかったなぁと思いました。
それに何よりキャスティングが不満でしたね。ハッキリ言って許せない人もいましたし(爆)。
まぁ今は割りと平静な気持ちで見られますので、そうした目で見ると面白いなぁと思えるようになりましたね。
ダイジェストとしての劇場版アニメは今見る分には
そんなに抵抗もなくすんなり受け入れられました。
もっともはアニメにしろ、実写化にしろ、
この話をたった2時間そこらでまとめられるわけないだろ~が
案の定当たってしまってガックシくることはしょっちゅうですが。
今のジャパニメーションのクオリティで見れたら
それはそれはすごい作品になると思うんですけどね~・・・。
というてもゼータガンダムみたいに中途半端に
画像をきれいにしてストーリー変更なんてのはやめてほしいですが。
ただそれをバサバサ切っちゃっているのが勿体無くて。
せめてあと10分か15分、『999』並みの上映時間を与えられていたら、
もうちょっと完成度が高い作品になっていたと思うんですがね。
しかしなかなかDVDになりませんねー。
脚本はアニメショップなどで単独で発売されていたと記憶してますし、当時の関連書籍でも掲載されていましたので、カットされたシーンが幾つかあるのはファンには多分有名なことなんだろうと思います。
何種類か発売されていたノベライズも脚本を元に執筆されていますので、それらのシーンがありましたし。
「ヤマト」や「999」は130分程度の上映時間が与えられていましたが、「地球へ…」は112分。
かなり舌足らずな印象を受けますので、同規模の上映時間で封切られていたらなあと残念に思います。