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『テン・ゴーカイジャー』(2021)

『テン・ゴーカイジャー』(2021)_e0033570_09094558.jpgスーパー戦隊を題材にした公営ギャンブルが大流行していた。
レンジャーキーを実体化させてバトルを行いその結果を賭けの対象とし、その収益の大半を地球の防衛費に充てるというもので、歴代のヒーローたちの賛同も得ていた。
だが突如キャプテン・マーベラスが現れ、運営サイドに挑戦状を叩きつける。
その前に立ち塞がるのは率先してプロジェクトに参加していた伊狩鎧だった。
かつての仲間たちと袂を分かったマーベラスの真意は何か。
そしてジョー、ルカ、ハカセ、アイムらの謎めいた行動の目的は何か。
時の流れが変えたのは、地球人か、それともゴーカイジャーたちなのか――?

『海賊戦隊ゴーカイジャー』の10年後を描いた続編だが、従来の<10 YEARSシリーズ>とは別系統ってことになるらしい。
おまけにタイトルが、というよりタイトルロゴが某作品にソックリ(「シン」?「テン」?)なんてことも取沙汰されてたけれど、「海賊戦隊のテーマ」に乗せて6人が歩いてくるシーンだけで鳥肌もん。
やっぱ『ゴーカイジャー』好きだなあ。

マーベラス、ジョー、ルカ、ハカセ、アイム、鎧、メンバー6人が一人も欠けることなく再集結。
みんないい意味で変わらない。
あれからホントに10年経ったの?と時の経過が嘘のように感じられる。

強いて言えば市道真央ちゃん、若干老けたかなあ(失礼!)と思わないでもないけれど、小池唯は少女っぽさが影を潜めた代わりに妖艶さが出てきたようで、皆それぞれ良い年の取り方をしてるなあと安心した。
そして山田裕貴、一番の売れっ子だろうによくぞ出演してくれた。

売れっ子と言えば市道真央も声優のM・A・Oとして活躍してるからか、ジョーと並んでルカの出番も少ないのは致し方ないところ?
ちなみにルカがレポーターに化けた際に名乗った名前、脚本家繋がりで彼女が主演したアニメのヒロインの名前…って完全に遊んでる。

スーパー戦隊のバトルをギャンブルにしてる世界なんて想像もしなかったけれど、確かにレンジャーキーの設定を使えば(そしてそれぞれの持ち主に返したキーをまた集められたなら)、この『ゴーカイジャー』世界ならば可能な話。
まあよく後輩たちも素直に提供してくれたもんだけど、一説によるとスーパー戦隊は体育会系の完全なる縦社会、先輩から頼まれれば断れなかった、ってこともありそう。

『テン・ゴーカイジャー』(2021)_e0033570_18250027.jpg現役のゼンカイジャーを除いたキラメイジャーまでのキーは揃っていて、唯一欠けていたのが地球にいなかったゴーカイジャーたちのレンジャーキーだけ、というところからお話は始まる。まあ美味い話には裏がある。
地球防衛のためと言いつつ、実際に計画を立案し展開していたのはバクード海賊団だった。
それを阻止するべく、解散したと見せかけて探りを入れていたのがゴーカイジャーたち。
しかし鎧はそれを知らずに…ということらしい。
相変わらず軽く見られてるな、鎧。

で、物語上のキーとなるのがレンジャーキーの実体化システムを開発した、若き科学者の丹羽野将年。
コイツは何者かと思ってると途中でテレビシリーズの回想シーンが入り…そうか、「2話の少年」か。
こんなマイナーなキャラをよく引っ張って来たなと思ったけど、そういや彼はマーベラスがガッチリ絡んだ初めての地球人ということで50話にも再登場してるんだった。
残念なのは演者が違うことだけど、引退しちゃった元子役という理由ならばともかく、あの時の彼はまだ芸能活動してるんだよねえ。

細かいと言えばJK役で出てくる石井薫子清水ららは、何と『烈車戦隊トッキュウジャー』のミオとカグラの子供時代を演じてた子たち。
「トッキュウジャー」終わって6年以上経つんだもんなあ、二人ともすっかり美少女に。
スーパー戦隊レジェンド枠ではクリスタリア宝路の庄司浩平も出てくるが、まあ「らしい」といえば「らしい」登場の仕方。
全く活躍しないけど”おいしい”役ではある。

「スーパー戦隊ダービーコロッセオ」のリングアナは小指を立ててマイクを握る関智一で、実況アナウンサーはバスコじゃない益子田昭郎の細貝圭、そして解説は”スーパー戦隊親善大使”の松本寬也(本人)。
マジイエローとビートバスターが瞬殺されて涙流すのは爆笑モノ。
また今回の悪役陣は山崎潤、坂田梨香子、吉田メタルと<平成仮面ライダー>絡みのキャストが揃っているのはなんでだろう?

ゴーカイガレオンが大破炎上する中で、血だらけの顔面に片目を抑えるビジュアルに始まり、全編の殆どを眼帯姿で過ごすマーベラス。
ところがラストでアイムが「地球にはエモいお医者さん(小夜さん?)がいるそうなので、治して貰えるのでは?」とマーベラスに言うと、実は「ものもらい」だったというオチが付くのだが、当初はこれ、武器を仕込んだ義足になる予定だったんだとか。
だとすると完成作よりは幾分重い内容になっていたことになる。

それに「スーパー戦隊ダービーコロッセオ」そのものも、開催するのしないので揉めていた東京五輪への批判が込められているようで(綺麗ごと言ってても所詮は金儲けでしょ?)、なかなか子供向け作品として馬鹿にしたもんじゃない。

結果的に痛快・爽快・豪快な『ゴーカイジャー』の新しいドラマが見られたことには満足。
他のスーパー戦隊作品との整合性などは、言い出したらキリがないので今回はスルーする方向で。
出演者たちは20年後の更なる続編に意欲を見せてたようだが、初めての<20 YEARSシリーズ>、実現するかな?
皆元気なら是非見たいけれど。


by odin2099 | 2021-11-14 18:25 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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