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『第三の男』(1949)

売れない作家のホリーは、親友のハリーから仕事を依頼されウィーンへとやってくるが、到着早々ハリーが自動車事故で死亡したと聞かされる。
葬儀の席上キャロウェイ少佐と知り合ったホリーは、ハリーが最悪の密売人で死んで当然と言われ、事件の真相究明に乗り出す。
ハリーの恋人アンナと共に事件の手掛かりを得ようとするが、目撃者たちの証言は食い違い、やがて手掛かりをくれた証人の一人が殺され、その殺害の容疑がホリーにかけられる。
一方ハリーがアンナの為に用意したパスポートは偽造が発覚し、アンナは国際警察の取り調べを受けることに。

『第三の男』(1949)_e0033570_22062996.jpg主人公のホリーは、ハリーは事故死ではなく殺されたのだというところから出発し、様々な手掛かりを得ていくのだが、彼の周囲に現れるのは胡散臭い連中ばかり。
ハリーが友人と道を歩いていると反対側に知人の姿が見えたので、通りを渡ろうとして車に撥ねられたのだが、車を運転していたのはハリーお抱えの運転手。
友人二人でハリーを抱えて道端に横たえると、そこに偶然主治医が通りがかり、診断の結果死亡を確認したという。

ハリーは死の直前にホリーとアンナに伝言を残したというが、一方でハリーは即死だったという証言があり、またハリーを抱きかかえて運んだのは三人だったという目撃者も現れる。
その「第三の男」が鍵を握っているとホリーは睨むのだが、実はこれらが全てミスリードを誘うものなのだ。

闇夜の中、ふと部屋の明かりが灯され姿を見せるハリーや、最後にアンナに声を掛けようとするも、一瞥もくれずただ通り過ぎる彼女を呆然と見送るだけのホリーなど、有名なシーンが目白押し。
アントン・カラスのチターによる名旋律もあり、映画の名作を選ぶ際には必ずランクインするほどの作品なのだが、タイトルにもなっている「第三の男」の存在が伏線として上手く行かされていないことや、結局のところハリーはホリーを呼び寄せて一体何をしたかったのかがわからないあたりが気になってしまう。

クライマックスで対峙するホリーとハリーだが、思わせぶりな目配せの後で一発の銃声が響くだけ。
流石に今回はキャロウェイが立ち会っているとはいえ、ひょっとするとホリーはハリーを見逃したのではないか、なんてことも考えてしまうのだ。

原作・脚本グレアム・グリーン、監督キャロル・リード、ホリー・マーティンス役はジョゼフ・コットン、ハリー・ライムはオーソン・ウェルズ、アンナ・シュミットにアリダ・ヴァリ、キャロウェイ少佐にトレヴァー・ハワード、ペイン軍曹にバーナード・リー、門番にパウル・ヘルビガー、クルツ男爵にエルンスト・ドイッチ、ポペスコにはジークフリート・ブロイアー、ヴィンケル医師にエリッヒ・ポント、クラビンにヴィルフリッド・ハイド・ホワイトが出演。


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by odin2099 | 2021-11-23 17:33 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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