『ゴシック』(1986)
2021年 11月 25日
後に「ディオダティ荘の怪奇談義」と呼ばれることになる一夜を、メアリーの視点で描いた作品。
ガブリエル・バーンがバイロン、ジュリアン・サンズがシェリー、ナターシャ・リチャードソンがメアリーを演じ、クレアをミリアム・シル、ポリドリをティモシー・スポール(痩せてる!)が演じている。
監督はケン・ラッセル。
どこまでが現実で、どこからが妄想、狂気の世界なのか。
かなり以前に一度見たことのある作品だが、今回見直してみても難解で自分の理解が及ばなかった。
そもそも、その問いかけは無意味なのかも知れない。
初めから彼ら5人の言動は真面とは思えず、全てが空想の産物だと言うことも出来るし、あるいは何らかの超自然的体験を彼らは本当にしたのかも知れない。
いずれにせよこの夜を切っ掛けにポリドリは『吸血鬼』を書き、メアリーは『フランケンシュタイン』を発表することになる。
それにこの5人の関係が普通ではない。
バイロンはクレアを愛人にする一方でポリドリとも同性愛の関係にあり、シェリーとも必要以上に親し気でメアリーをもものにしようとしている(あるいはかつて関係を結んだことがあったか)。
シェリーも恋人であるメアリーの妹のクレアとも親密で、3人で関係を持ったことがあるとも受け取れるやり取りがある。
物語とは妄執や強烈な願望、それに贖罪の気持ちの果てに生み出されるものなのであろうか。