『ヴェノム/レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)
2021年 12月 04日

ところが後半に入るとカーネイジが出現。
コイツはヤバいってんで再びタッグを組むことになるんだが、ホントは嬉しいクセに難癖付け合って嫌々ながら共闘するという流れが、わかっていながらも面白い。
今回はエディとヴェノムの珍道中がメインで、出番は少ないのかなあと思われたエディの元カノのアン。
ところが中盤以降ではエディとヴェノム仲直りの仲介人になるわ、カーネイジに狙われて”攫われた姫君”の役回りをしっかりとこなすわ、で大活躍。
余談なんだけど、見ているうちにアン役のミシェル・ウィリアムズの顔が段々としょこたんに見えてきた。
似てない?
なんかそう見えてきちゃったんだから仕方ない。
そのアンが、エディと縒りを戻すのかと思いきや、そんなこともないのが今風なのかな。
同じマーベル作品で言うなら『アントマン』もそうなんだけど、元カノ(嫁)の今カレ(旦那)が実に良い人で、ヒロインはヒロインでヒーロー抜きで自分の幸せを掴んでる、決してヒーローの添え物じゃない、というのが現在では支持されるのかもね。
このクレタスとカーネイジの共棲関係と、エディとヴェノムの共棲関係との差異が勝負の分かれ目となる。
クレタスが固執してるのが恋人のフランシス。
彼女は音を操る能力を持ってるってことで、これはミュータント?
今後X-MENたちと何か関りを持ってくる設定なのかしらん?
ところがシンビオートは音が苦手。
なのでクレタスがフランシスに拘れば拘るほど、クレタスとカーネイジの関係は悪化する。
一方のヴェノムはアン大好き。
アンが危険に晒されればシンクロ度合いはアップするわけで、こうなればいくらカーネイジの方がヴェノムより強大なパワーを秘めていようとも、カーネイジに勝ち目はない。
ヒーロー逆転の法則だ。
そして最後、カーネイジはあっさりとヴェノムに食われてしまう、あれれ。
そのうちカーネイジ、またしれっと復活してくるよね?

見た目に反してヒーロー物の王道をゆくストーリーなので、意外な展開というのは少ないがその分安心して見ていられる。
ヒーロー映画としては些かグロいけどね。
次回作への伏線としては、死んだと思ったら死んでないみたいなマリガン刑事(エディともクレタスともフランシスとも因縁があるらしい強面の警官)が、今後ヴィランとなりそうなんだけど。
そしてエンドロールを迎えるのだが、問題はそのオマケシーン。
シンビオートの能力を見せてやる、とエディに対して豪語したヴェノムだったが、あれ?何やら様子がおかしい。
予期せぬ力が作用して二人とも別世界に飛ばされてしまった模様。
そこのテレビに映し出されていたのはなんと…!
ここで『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』とリンクするのか!
テレビではJ・ジョナ・ジェイムソンが「スパイダーマンはピーター・パーカーだった!」と連呼しております。
ここで出てくるピーターはトム・ホランド版、つまりヴェノムたちは<MCU>世界に来ちゃったというワケだ。
どうやらストレンジ先生が何かやらかした様子。
今後公開予定の『モービウス』も、ヴェノムの名前を出したり、街にスパイダーマンのポスターが貼りだされていたり、ヴァルチャーらしき人物が出てくるのでこの『ヴェノム』シリーズや<MCU>との関係が取り沙汰されているけれど、ここらへん次回作の『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』でしっかり拾ってくれるんだろうか。
頼むぞ!

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医者が主人で、エディ+ヴェノムはアンのペットという関係が一番良さげ。