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『ヴェノム/レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)

*** ネタバレ注意! ***

『ヴェノム/レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)_e0033570_09352390.jpg前半はエディとヴェノムの痴話喧嘩というかどつき漫才みたいな展開。
馴染んでる分お互いに嫌気がさしてる二人が遂に破局?!というお話になっている。
中盤では二人が清々した気持ちでソロ活動を愉しんでる場面が挿入されるが、それぞれどこか寂しそう。
ところが後半に入るとカーネイジが出現。
コイツはヤバいってんで再びタッグを組むことになるんだが、ホントは嬉しいクセに難癖付け合って嫌々ながら共闘するという流れが、わかっていながらも面白い。

今回はエディとヴェノムの珍道中がメインで、出番は少ないのかなあと思われたエディの元カノのアン。
ところが中盤以降ではエディとヴェノム仲直りの仲介人になるわ、カーネイジに狙われて”攫われた姫君”の役回りをしっかりとこなすわ、で大活躍。
余談なんだけど、見ているうちにアン役のミシェル・ウィリアムズの顔が段々としょこたんに見えてきた。
似てない?
なんかそう見えてきちゃったんだから仕方ない。

そのアンが、エディと縒りを戻すのかと思いきや、そんなこともないのが今風なのかな。
同じマーベル作品で言うなら『アントマン』もそうなんだけど、元カノ(嫁)の今カレ(旦那)が実に良い人で、ヒロインはヒロインでヒーロー抜きで自分の幸せを掴んでる、決してヒーローの添え物じゃない、というのが現在では支持されるのかもね。

そのヴェノムと対峙するのがカーネイジ。
クレタスがエディに噛みつき、その血を啜ったことから誕生したシンビオート。
ということはヴェノム2号というか、偽ヴェノムというか。
このクレタスとカーネイジの共棲関係と、エディとヴェノムの共棲関係との差異が勝負の分かれ目となる。

クレタスが固執してるのが恋人のフランシス。
彼女は音を操る能力を持ってるってことで、これはミュータント?
今後X-MENたちと何か関りを持ってくる設定なのかしらん?
ところがシンビオートは音が苦手。
なのでクレタスがフランシスに拘れば拘るほど、クレタスとカーネイジの関係は悪化する。

一方のヴェノムはアン大好き。
アンが危険に晒されればシンクロ度合いはアップするわけで、こうなればいくらカーネイジの方がヴェノムより強大なパワーを秘めていようとも、カーネイジに勝ち目はない。
ヒーロー逆転の法則だ。
そして最後、カーネイジはあっさりとヴェノムに食われてしまう、あれれ。
そのうちカーネイジ、またしれっと復活してくるよね?

『ヴェノム/レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)_e0033570_09353433.jpg上映時間は97分とコンパクト。
見た目に反してヒーロー物の王道をゆくストーリーなので、意外な展開というのは少ないがその分安心して見ていられる。
ヒーロー映画としては些かグロいけどね。
次回作への伏線としては、死んだと思ったら死んでないみたいなマリガン刑事(エディともクレタスともフランシスとも因縁があるらしい強面の警官)が、今後ヴィランとなりそうなんだけど。

そしてエンドロールを迎えるのだが、問題はそのオマケシーン。
シンビオートの能力を見せてやる、とエディに対して豪語したヴェノムだったが、あれ?何やら様子がおかしい。
予期せぬ力が作用して二人とも別世界に飛ばされてしまった模様。
そこのテレビに映し出されていたのはなんと…!

ここで『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』とリンクするのか!
テレビではJ・ジョナ・ジェイムソンが「スパイダーマンはピーター・パーカーだった!」と連呼しております。
ここで出てくるピーターはトム・ホランド版、つまりヴェノムたちは<MCU>世界に来ちゃったというワケだ。
どうやらストレンジ先生が何かやらかした様子。

今後公開予定の『モービウス』も、ヴェノムの名前を出したり、街にスパイダーマンのポスターが貼りだされていたり、ヴァルチャーらしき人物が出てくるのでこの『ヴェノム』シリーズや<MCU>との関係が取り沙汰されているけれど、ここらへん次回作の『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』でしっかり拾ってくれるんだろうか。
頼むぞ!


Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2021-12-31 10:29
タイトル : 『レイジング・ファイア』『劇場版 呪術廻戦 0』『ヴェノ..
対決アクション系公開作から3本。この3本を一緒にしたのは、善玉と悪玉の対決要素があり、その対決内容の成否とその理由について、前者は許せて、後二者には違和感を感じたからである。 ◆『レイジング・ファイア』シネクイント2 ▲画像は後から。 五つ星評価で【★★★★ドニーさん】 ドニーさんの新作で、ベニー・チャンの遺作。 敵はニコラス・ツェー。ニコラスは情け容赦のない悪役だけど、冤罪で人生を狂わ...... more
Tracked from 或る日の出来事 at 2022-08-27 10:15
タイトル : 「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」
テレビのせいか知らんが、最後の戦いが暗くてまったく面白くない。... more
Tracked from ここなつ映画レビュー at 2022-08-31 16:10
タイトル : 「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」
いやあ、面白かった!こういう系はたまに観るととても面白い。こういう系でも、壮大な、とか、抒情詩的な、とかが一切無くて気楽。気楽に楽しんで、特に何も残らない。でも、それがいいのだ。とはいえ、前作はもう少し重々しかったような気がする。それがそうでもなくなったのは、もうこのキャラに対しては笑っていいんだ、が明確になったからのように思う。ヴェノム自体は言うに及ばず、トム・ハーディー然り、ミシェル・ウィリアムズ然り。コンビニの中華系オバチャンのことだって笑っていいのだ。だから、本来は恐れるべきウッディ・ハレル...... more
Commented by ふじき78 at 2021-12-31 10:15 x
アンはアンでって、あの医者人気ない。まーでもあの人、ダメ人間じゃなくって取り柄は普通で、医者だから金持ち。性格はよく分からない。イヤミだっけ? うーん、男の好む男じゃない。男が好きなのはやっぱトラック野郎の菅原文太みたいなのだから。

医者が主人で、エディ+ヴェノムはアンのペットという関係が一番良さげ。
Commented by odin2099 at 2021-12-31 22:57
> ふじき78さん

多分何らかの形で「ヴェノム3」乃至それに類する作品は作られると思うけど、今後この関係がどう変わるか(変わらないか)はちょっと、というよりかなーり気になる。
by odin2099 | 2021-12-04 09:39 |  映画感想<ハ行> | Trackback(3) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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