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『黒蜥蜴』(1962)

『黒蜥蜴』(1962)_e0033570_19231025.jpg名探偵・明智小五郎と女賊・黒蜥蜴の対決を描いた江戸川乱歩の小説を直接映画化したものではなく、それを元に三島由紀夫が戯曲化ものが原作で、脚本が新藤兼人、監督は井上梅次、緑川夫人こと黒蜥蜴を京マチ子、明智を大木実、黒蜥蜴の部下・雨宮を川口浩、早苗を叶順子、早苗の父で宝石商の岩瀬を三島雅夫が演じてる。

全編ミュージカル仕立て、おまけに随所にコミカルな演技が盛り込まれたヘンテコな映画。
それに元が戯曲なせいか非常に演出や構成が舞台的で平板。

大阪から東京へ、東京タワーから船上、そして黒蜥蜴のアジトへと所変われど、映画的な広がりや面白さには欠けているし、最後は原典通りの悲恋モノとして幕を閉じるのだが、それまでの展開が全体のムードをぶち壊しているようにも思える。

この作品は京マチ子に尽きる、とはよく聞く話なのだが、正直言ってこの作品だけでは彼女の良さがわからないし、準ヒロイン格の叶順子も大味な美人で、どちらも自分の好みとは遠い。
乱歩作品なのでエロティックな場面もあるにはあるのだが、当時としても抑え気味だろうと思えるのは二人とも大映の看板女優だったからだろうか。
今映像化したらもっと直接的なシーンが盛り込まれそうだ。

こっちの明智探偵もちっとも切れ者には見えない。
自信過剰で余裕かましてるけど、常に黒蜥蜴が一歩先んじてる印象。
一応は事前に部下を要所に配していたり、実は最初からお見通しだったんだぜ的な台詞を吐くものの、実際のところはどうだか知れたものではない。
黒蜥蜴も、こんなナルシストのどこに惹かれたんだろうか。


by odin2099 | 2021-12-12 19:26 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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