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『忠臣蔵』(1958)

年末と言えば「忠臣蔵」、今回は大映オールスター作品を見ます。

『忠臣蔵』(1958)_e0033570_19353948.jpg大石内蔵助の長谷川一夫を皮切りに、赤垣源蔵に勝新太郎、岡野金右衛門に鶴田浩二、浅野内匠頭には市川雷蔵ら若手スターを配し、おるい/京マチ子、瑤泉院/山本富士子、浮橋太夫/木暮実千代、りく/淡島千景、お鈴/若尾文子と艶やかな女優陣が並び、吉良上野介/滝沢修、多門伝八郎/黒川弥太郎、上杉綱憲/船越英二、勝田新左衛門/川崎敬三、千坂兵部/小沢栄太郎、大竹重兵衛/志村喬、垣見五郎兵衛/二代目中村鴈治郎と重鎮がズラリと顔を並べる146分の堂々たる超大作です。
監督は”早撮りの名手”と呼ばれた渡辺邦男。

映画はいきなり赤穂へ早駕籠が走るシーンが始まります。
内蔵助らが主君の刃傷に関する一報を受け取ったところで、時間を巻き戻して江戸の内匠頭のパートへ繋ぐ、という構成になっています。
その後は、内蔵助暗殺を命じられながらも情を移して果たせない吉良方の女間者といったオリジナルキャラクターを交えつつも、主要なエピソードを拾いながら討ち入りへと進んでいきます。

この作品の特徴としては、多門伝八郎の比重が大きいことでしょうか。
刃傷の後は内匠頭だけでなく吉良にも尋問を行い、柳沢吉保ひいては将軍綱吉の裁定にも異議を唱え、赤穂の江戸藩邸の引き渡しに立ち合い、岡野金右衛門ら江戸組をそれとなく保護し、吉良の屋敷替えに際しては事前に引っ越し先の絵図面を渡し、刺客に襲われた内蔵助を助け、という具合に終始赤穂浪士を陰ながら支える役回りになっているのは、些かやり過ぎな気もしますが儲け役にもなっています。

それに女優陣が華やかですね。
清楚な美しさの山本富士子の瑤泉院、妖艶さと懐の深さを顔しだす浮橋太夫役の木暮実千代、積極的で夢見る乙女の若尾文子のお鈴…と名花を愛でるのもまた一興です。
by odin2099 | 2021-12-14 19:37 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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