『悪霊島』(1981)
2021年 12月 26日
その磯川から先だって発見された水死体のことを聞き、それが自分の尋ね人であることを知る。
一方磯川は老婆の殺人事件を調べていたのだが、どうやら金田一の依頼人とも深い繋がりがあるらしいことがわかってくる。
監督は篠田正浩。
映画は1980年冬から始まり、ジョン・レノン射殺のニュースからザ・ビートルズ全盛期への回想が始まり、そして1969年を舞台に仕切り直して本筋へ入るという構成。
ザ・ビートルズの「レット・イット・ビー」や「ゲット・バック」が劇中に使われているが、作り手側には思い入れがあっても、見ている側からするとこれらがどういう役割を果たしているのかがピンとこない。
ちなみに以前レンタルで見たビデオはそのままだったが、今回見たDVDは権利関係からオリジナルの楽曲が使えず、カバー版に差し替えた<サウンドリニューアル・エディション>である。
以前見た時は鹿賀丈史の金田一ファッションに違和感しか覚えず、なんか変な映画だったという印象しか残ってなかったのだが、今回改めて見て驚いたのは岩下志麻の美しさ。
清楚で毅然とした巴と、淫乱で妖艶な双子の姉・ふぶきを一人二役で演じているのだがその切り替えは見事で、これなら周囲は騙されるだろうし、また彼女に迫られたらこのまま共に破滅への道を選ぼうとも悔いはない、と男に思わせるだけの魅力、いや魔力がある。
自慰シーン(だと思うが)など露出は全くないものの、表情だけでゾクゾクさせられる。
その一方で相変わらず鹿賀=金田一の格好はこの時代からは浮いて見えるし(なんせ映画公開の10年ちょっとの昔だ)、ラストの謎解きが忙しなくて今一つ分かりづらい(そもそも人物関係の説明も舌足らずに感じる)。
▲鵺も悪霊も大した出番ないしなあ。 五つ星評価で【★★横溝正史の小説って徹底的に解体しないと分かりやすくならない。今回はそのプロセスが不徹底】 初見。角川映画祭の1プログラム。 篠田正浩には申し訳ないが、東宝初期三部作の市川崑の分かりやすさには勝てない。ともかく登場人物が多い話だし、本家・分家と対立しているし、その対立に群がる有象無象と色々な人間がいっぱい出てくるのを整理しきれてない。この...... more
内容は映画よりCMだったら見たなあくらいしか思いだせない。
あの頃だとまだビデオ発売など想定出来なかったでしょうしね。
原作は傑作と評する人もいるようですが(未読)、出来上がった映画は「獄門島」+「八つ墓村」みたいな感じになっちゃってますね。