『００９ー１』vol.2

第２巻は「Mission. 3 ハードボイルド Hard-boiled」と「Mission. 4 古城よりの招待状 Invitation from an old castle」。
それぞれ「指令No.32 HARD BOILED」と「指令No.7 古城よりの招待状」が原作。

釈由美子が演じてるからなのか、原作よりもミレーヌが若干若いような印象を受けるし、未知なる危険にも喜んで飛び込んでゆく無鉄砲さというか、仕事を愉しんでる風が滲み出ている。

原作のミレーヌはもっと成熟した色気と、どこか世間に対して醒めた目線、そして仕事に対して疲れている感があったのだが、30分枠で放送するテレビアニメということならば、このアクティブさも必要か。

それにしても今回はちょっと、というよりかなり残念。
というのも「古城よりの招待状」というのは原作でもかなり好きなエピソードで（初期に読んだからというのもあるが）、出来得れば前後編でじっくりと描いて欲しいと思っていたくらいなのだが、蓋を開けてみると全くの別物に改変、いや改悪されていたからだ。

これがオリジナルストーリーだったなら、謎解きの意外性もあったりでそれなりに愉しめる一篇だったと思うのだが、原作の良さが全て消し去られてしまっている。
もし機会があればOVAなどで原作に忠実にリメイクして貰ないものだろうか。

ちなみにこのエピソードでは、ミレーヌの同僚のウエストブロックの諜報員としてマルスというキャラクターが出てくるが、これは原作では”020”または”ジェット”と呼ばれていてサイボーグ００２ことジェット・リンクを初老にしたような風貌なのだが（アニメでは壮年くらいに若返っている）、なんとこの役に『サイボーグ００９（新）』の００２役だった野田圭一を配役。
こういったお遊びも楽しいものである。