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『ナイル殺人事件』(2022)

『ナイル殺人事件』(2022)_e0033570_19244494.jpg吹替版にて鑑賞。
原作はアガサ・クリスティーの『ナイルに死す』
何度か映像化されているが、映画はジョン・ギラーミン監督がピーター・ユスティノフ主演で撮った『ナイル殺人事件』に続いて二度目。

それにしても待ちくたびれた。
当初は2019年暮とアナウンスされていたのだが、ウォルト・ディズニーによる20世紀FOXの合併に伴いスケジュールの再調整。
やっと2020年暮に決まったが今度は新型コロナウィルスの影響を受けて延期に延期を重ね、一端は白紙になったものの、ようやく公開されたのである。
2年半近く待たされて、もう劇場公開は無理かなと半ば諦めていたところだ。

で、出来上がった映画はというと――

ファースト・シーンからポワロにスポットを当て、ラスト・シーンもポワロの一人芝居で締めるという、監督・主演ケネス・ブラナーのオレ様映画。
若かりし頃のポワロの”失われた恋”をフューチャーしたりして、終始「人間ポワロ」の物語になっているのだが、どちらのシーンも本筋には無関係。
その分、ミステリー・サスペンス物としては弱いというか物足りない。
もしかするとケネス・ブラナーは謎解き自体には興味がなかったのかも知れないが。

『ナイル殺人事件』(2022)_e0033570_19241058.jpg大筋は同じだし、犯人も同じ(!)なのだが、全体的にキャラクターもかなり変えられてるので、原作読んだり旧作見たことのある人でも、「へっ、この人は誰なんだろう?」「あれ?この人死んじゃったよ」といった愉しみ方も出来るかもしれない。
出演俳優も小粒だから、次は誰が犠牲になるのかというハラハラドキドキも味わえる、かな?

ちなみに今回のケネス・ブラナーの吹替は広瀬彰勇。
ブラナーに合ってるかどうかはともかくとして、ひとまず『オリエント急行殺人事件』からの草刈正雄続投でなくて良かった良かった。

【ひとこと】
あのラストシーンの意味は、「もう続編は作んないよ」というケネス・ブラナーの意思表示なんだろうか。


Tracked from ここなつ映画レビュー at 2022-02-28 15:22
タイトル : 「ナイル殺人事件」
恥ずかしながら「ナイル殺人事件」については、アガサ・クリスティーの原作を読んだこともなければ、過去に公開された映画作品を鑑賞したこともない(「ミステリーナーイル♪」のCMソングは薄らと覚えている)。豪華絢爛な作品を観たいなぁ〜、と何となく思って鑑賞したに過ぎない。ただ、逆に何も知識が無かったことによって、複雑過ぎないミステリーの楽しさを存分に味わえたと思う。当時の豪華絢爛さの描写は小物に至るまでオシャレだったし、ちょっとしたエジプト旅行の雰囲気も楽しめた。とはいえ、私のように何の事前の知識もなく鑑賞...... more
by odin2099 | 2022-02-26 19:36 |  映画感想<ナ行> | Trackback(1) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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