『宇宙刑事シャリバンメモリアル』
2022年 03月 09日
ということで続いて「シャリバン」の総集編を再見。
<宇宙刑事>三部作の中で一番完成度が高いのは……「シャリバン」だろうか。
従来の作品とは一味違う作品を手探り状態で作っていた「ギャバン」と違い、「ギャバン」で確立したフォーマットの上で、一歩も二歩も進んだ作品作りに成功したのがこの「シャリバン」と言っても良い。

その反面、”地球担当の宇宙刑事”という本来の立ち位置がやや揺らぎ、シャリバンは自分の星のことばかりやっているという批判も寄せられたと聞くが、そのバランスを取るのは難しいね。
またそのイガ星再興話、通称<奇星伝>は、今だったらもっと神秘的に、壮大に、荘厳に描けただろうなと考えるとちょっと残念。
ロケ地の実景と絵を合成したのはいいけど画面が揺れるのでズレてバレバレだったり、ちっとも透明感や輝きの無い安っぽいイガクリスタルとか、チャチな古代遺跡のセットとか、当時の東映ヒーロー作品ではこれが精一杯だったのは理解出来るのだが、今ならCG使ったりでより”それっぽく”見せられただろうな、と考えるとねえ。
ところでこの作品には、前作の主人公であるギャバンが準レギュラーとして加わっている。
通常ギャバンはシャリバンに指示を与えるだけだが、自ら現場に出たこともある。
ところが頑なに蒸着はせず、本格的な二大ヒーローの共闘は最終回まで持ち越しに。
シリーズを見ている時はなかなかツーショットが拝めないことでフラストレーションが溜まったものだが、今思えばこれは英断。
ギャバンが度々客演してしまっては、あるいはシャリバンの魅力は減じてしまっていたかも知れないからだ。
「ウルトラマンレオ」におけるウルトラセブン=モロボシ・ダン、「UFOロボ グレンダイザー」における兜甲児、どちらも実直に脇役に留まったからこそ主役が引き立ったと言える。
勿論前作から見てきたファンからすればもどかしさを感じるところで、こういうのはやはり両雄は並び立たずということなんだろうな。
前番組のヒーローのレギュラー、準レギュラー化で、ヒーローとしてギリギリ活躍させられたのは「特救指令ソルブレイン」でのナイトファイヤー=香川竜馬だろうが、これも微妙なところだ。
「流星人間ゾーン」でのゴジラのように、ゲストと割り切って出すのならまだ良いのだろうが。
<過去記事>
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