『スター・トレック』(1979)
2006年 03月 14日

レギュラー・メンバーがみんな顔をそろえた後日談になっているのですが、どうやら肝心のお話が『スター・トレック』らしくない、と拒絶されてしまったようですね。
ジェリー・ゴールドスミスが書き下ろした映画版のテーマ曲も、ファンならぬ身からすると格好良いメロディだなぁと思うのですが、やはりイメージが違うということのようです。またダラダラと長いお話は、客観的に見てもかなり辛いもの。爆発的なヒットとはいかなかったのも宣なるかな、といったところです。
ただそれでも、特撮シーンの素晴らしさは誰もが認めるところではないでしょうか。エンタープライズ号をこれでもか、これでもか、と舐めるようなショットの数々、メカフェチならずとも惚れ惚れとするような出来栄えです。ダラダラ長いシーンの多い本作にあっても、こういったシーンだけはじっくりと魅せてくれることを有り難く思います。
以下、「しねま宝島」より転載。
「今こそ、人類の冒険が始まる!」
広川太一郎のナレーションと共に、高らかに鳴るメインテーマ!
このラジオ・スポットを聞いていた西崎プロデューサーが「このまま『ヤマトよ永遠に』のCMに使えるなぁ(苦笑)」と発言していたが、『~永遠に』製作前にメイン・スタッフ引き連れて渡米し(ハワイだったか?)、この作品とディズニー製作の『ブラック・ホール』を参考の為に見ているので(どちらも日本公開前だったから)、両作品からの影響はかなり見受けられる。殊に映像表現の手法に。
それはさておき、この宣伝で興味は持ったものの、子供の乏しいお小遣いでは一夏に何本も映画を見られるわけもなく(なんせ同じ夏休み映画には、その『~永遠に』と『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』があったものだから)、かなり後になって名画座で続編と2本立てでようやく見た。
しかしこれはアメリカの人気TVシリーズの映画化。
TV版(『宇宙大作戦』)を見たことがないせいか(ある程度の予備知識は仕入れていたのだが)、設定やキャラクターがなかなか掴めず、おまけに上映時間も長くて些か退屈したのが正直なところだった。アイザック・アシモフが絡んだ(肩書は科学技術顧問)とか言われているストーリーも哲学的というか観念的というかわかりづらく、熱狂的なTVからのファンにも賛否両論だったようだ。
ということで、この映画の見所はSFXである。
最初に担当していたロバート・エイブルが、「創造上の相違」とやらで降板した後を受けて急遽登板したダグラス・トランブル(『2001年宇宙の旅』『未知との遭遇』)は、時間不足を補うために弟子のション・ダイクストラ(『スター・ウォーズ』)を呼び寄せて突貫作業で仕上げたと言われていたが、そこは当代第一のSFXマンのこと、見せるべきポイントはきっちりと見せてくれている(ただ、やはり時間的制約の故か、見せてはいけない裏側も無残に映ってしまっていて、これはDVD版でリテイクされるという話)。ドックに佇むエンタープライズを舐めるようにカメラが寄ってゆくショットや、発進シーンなどはTV版では味わえない良さだろう。映画全体には乗れない人も多いだろうが、SF映画を見たなーという気分にさせてくれるのは間違いない。シド・ミードも噛んでいるし。
ところで後にビデオ化されたヴァージョンは、実は劇場公開版よりも長い。作品世界にどっぷりと浸りたい人には良いが、公開版ですら長いと感じた人には決してお薦め出来ない。むしろTVで放映される際のカット版の方が楽しめるかも。

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「スター・トレック」 カーク船長が帰ってきた! 【原題】STAR TREK-THE MOTION PICTURE 【公開年】1979年 【制作国】米 【時間】132分 【監督】ロバート・ワイズ 【原作】 `..... more
有難うございました。
自分はTVシリーズ知らずしてこの劇場版を観たので、
最初のうちはチンプンカンプン(笑)。
それでも引き込まれるものがありましたね。
結局大金を投じたにもかかわらず、それに見合った収益を上げられなかったので、
次回作からは予算縮小となってしまったようですが、
その方が結果的にTV版の雰囲気に近付いて
ファンには歓迎されたと聞いております。