『ホワット・イフ...?』その2
2022年 04月 09日
第5話「もしも...キルモンガーがトニー・スタークを救ったら?」
テン・リングスに襲われたトニー・スタークを救ったのはキルモンガーだった。
彼は米国軍人として組織に潜入し、オバディアがトニー殺害を計画していたことを掴んだのだ。
トニーの側近となったキルモンガーは、自作の軍事用ドローンをトニーの後押しで製作する。
その態度に疑念を抱くペッパーとハッピーはローディに相談。
だがトニーとユリシーズ・クロウにヴィブラニウムの取引を持ち掛けると、その場でローディを殺害し、更にヴィブラニウムを取り返そうとしたティ・チャラをも殺害。
この一件で米軍とワカンダは一触即発の事態となる。
果たしてキルモンガーの真の目的は?
キルモンガー、ティ・チャラ、ローディ、ジャーヴィス、ティ・チャカ、ラモンダ、オコエ、ハッピー、ユリシーズ・クロウ、クリスティン・エヴァーハートがオリジナル・キャストで、吹替だとオバディア、ペッパー(「エンドゲーム」以降、前任者の休業に伴い配役交代)、ロス将軍もオリキャスで揃っている。
アイアンマンがいない世界でキルモンガーがその代わりを果たすのかと思いきや、結局ワカンダと米国、双方への復讐の念に固まった彼のピカレスク・ロマンとも言うべき作品になっていた。
最後は両者の全面激突を前に、彼の真の目的に気付いたシュリがペッパーと接触を図るところで幕。
彼の野望がすんなりとは実現しないことを予見させる。
第7話「もしも...ソーがひとりっ子だったら?」
シールドはキャプテン・マーベルを召喚してソーを排除しようとし、見かねたジェーンはヘイムダルを通じてフリッガに告げ口し…というコミカルな一篇。
ロキはソーの兄弟分というか悪友で、悪戯好きな性格はそのまんま。
ただ兄弟として育ったわけではないから、羨望や嫉妬、葛藤とは無縁の関係だ。
ソーにジェーン、ダーシー、ロキ、フューリー、マリア・ヒル、コールソン、ラムロウ、コーグ、ネヴュラ、シフ、スルト、ハワード・ザ・ダック、それにグランドマスターまでオリジナルキャストで登場してるのだから贅沢だ。
ラストは、この世界でのソーとジェーンはハッピーエンド、かと思いきや、何やら波乱を予感させる終わり方…。
第8話「もしも...ウルトロンが勝ったら?」
この世界のウルトロンは肉体を得、アベンジャーズの生き残りはクリントとナターシャのみ。
インフィニティ・ストーン全てを手中に収めたウルトロンは、遂にウォッチャーの居場所をも突き止める。
一方ナターシャとクリントはアーニム・ゾラのコピーと接触、これをウィルスとしてウルトロンに注入し、コントロールしようとする。
この物語は続く第9話「もしも...ウォッチャーが誓いを破ったら?」と前後編になっている。
というより、これまでの物語が全てこの最終話に収斂されていく。
不介入、不干渉を守り続けていたウォッチャーだが、多元宇宙全体の危機に遂にその禁を破り、ドクター・ストレンジの助力を求める。
キャプテン・カーター、ティ・チャラのスター・ロード、サノスを倒したガモーラ、パーティ王子のソー、それにキルモンガーらをそれぞれの世界から招集し、ガーディアンズ・オブ・マルチバースを結成する、という”裏アベンジャーズ”のような展開になる。
これに唯一の生き残りのナターシャが加わるのだが、ナターシャはキャプテン・カーターを知らないが、キャプテン・カーターのいた世界ではナターシャが彼女のパートナー(本人曰く”親友”)という関係だったり、ティ・チャラとキルモンガーは従兄弟同士なので面識はあるものの、お互いに同一人物ではないのでこの世界では初対面だったり、と色々ややこしい。
それにこのシリーズは、一話完結の独立したお話だと聞いていたので、この終盤の展開にはちょっとばかり驚いた。
ひとまず今回のウルトロン騒動にはケリがついたものの、シーズン2の製作は決定しているし、この作品で描かれた世界の幾つかが「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」で拾われるという噂もあるしで、最初は「お遊び企画なのかなあ」なんて思っていたものの、<MCU>の中でもかなり大切な位置を占めそうな予感もある。
更に<MCU>を巡る旅は続いてゆく――。